マテリアリティ

東京エレクトロンでは、社会課題やステークホルダーの皆さまのご期待、また事業環境や自社状況を鑑み、企業価値のさらなる向上のために重要とされるマテリアリティを特定しています。各マテリアリティに中期目標および単年度目標を設定し、それらの達成に向けてさまざまな活動を展開しています。

マテリアリティ特定プロセス

社会環境

グローバル経済は先進国を中心とした発展のみならず、近年はインドや中国などの新興国における成長に支えられ発展を遂げています。一方で、経済の急速な発展により、人口増大に伴う都市集中、食料やエネルギー資源の枯渇、地球温暖化、先進国で進む少子高齢化など、人類は新たな問題に直面しています。企業は、変化し続ける環境や社会課題に対応し、社会の一員として向き合い、事業を通してそれらの課題解決に貢献していくことが求められています。当社は、国際社会が合意した持続可能な開発目標(SDGs)や国連グローバル・コンパクトの10原則またRBA行動規範やGRI(Global Reporting Initiative)、世界経済フォーラムや第三者機関の提言などを参考にし、社会課題解決への貢献に努めています。

持続可能な開発目標(SDGs)

2015年に国連で採択された、地球を守りよりよき将来を実現するための世界共通の目標です。「誰一人取り残さない」を理念として掲げ、2030年までに達成すべき17の目標、169のターゲットが設定されています。

ステークホルダーエンゲージメント

企業価値向上の取り組みにおいて、ステークホルダーの皆さまとの確固たる信頼関係の構築はとても重要です。当社では、事業活動の進捗や将来の方向性について理解を深めていただくため、定期的な説明会やウェブサイトなどを通じて透明性の高い情報を公正かつタイムリーに開示しています。さらに、ダイアローグやアンケート、連絡窓口などを通じて、ステークホルダーの皆さまのご意見やご要望を的確に把握し、事業活動に反映しています。今後もステークホルダーエンゲージメントを積極的に展開することにより、当社の事業活動に関する適切な意思決定を促し、企業価値の向上に努めてまいります。

ステーク
ホルダー
主なコミュニケーション手段主なご意見・ご要望該当する主な
マテリアリティ
株主・
投資家
・決算説明会
・ESG 調査
・個別インタビュー
・中長期的な事業見通しと
 パフォーマンス向上に関する施策
・中長期的成長に結びつく企業統治
・環境負荷低減への取り組み
・製品競争力の強化
・利益体質の強化
・持続可能な経営基盤 
お客さま・技術交流会
・顧客満足度調査
・個別インタビュー 
・顧客ニーズの的確な把握
・付加価値の高いソリューションの提案
・東京エレクトロングループ内での
 情報連携
・顧客対応力の強化
・利益体質の強化
取引先さま・生産動向説明会/パートナーズデイ
・STQA*監査
・個別インタビュー
・東京エレクトロングループ間での
 オペレーションの統一化
・協業体制のさらなる推進
・コミュニケーション機会の増加
・利益体質の強化
・持続可能な経営基盤
社員・社員集会
・グローバル・エンゲージメント・
 サーベイ
・個別インタビュー
・やりがいや働きがいにつながる
 仕組みづくり
・中長期的なキャリアプランの支援
・活力ある人と職場
地域社会・地域社会貢献活動
・事業所見学会
・地域の活性化
・雇用機会の創出
・適正な環境オペレーション
・活力ある人と職場
・持続可能な経営基盤
行政機関・
各種団体
・業界団体活動
・各種イニシアティブとの連携
・社会課題解決に結びつく
 イノベーションの創出
・人権尊重に向けた取り組み
・責任ある調達
・製品競争力の強化
・活力ある人と職場
・持続可能な経営基盤

* STQA: Supplier Total Quality Assessment の略

コミュニケーション事例

技術交流会

当社では、ビジネスユニット別、マーケット別、地域別など年間を通して大小さまざまな技術交流会を実施しています。これらの技術交流会は情報共有 や多面的なコミュニケーションの場として、参加されたお客さまおよび当社の社員から好評を得ています。このようなコミュニケーションネットワーク により情報資産を有効活用し、イノベーションの創出や付加価値の高い製品やサービスの提供に努めています。

社員集会

当社の経営陣が社員へ直接メッセージを伝えるための手段の一つとして、各事業所における社員集会を定期的に開催しています。2016年度は約4カ月間にわたり、代表取締役社長・CEOをはじめとする経営陣が海外現地法人や国内各拠点を訪問し、事業環境や経営方針に関する説明、パネルディスカッションおよび双方向の意見交換を行いました。

この取り組みを通じて、社員からは、「会社の目指す方向性をTOP から直接聞くことができ有意義だった」「さらなる社員のモチベーション向上を図ってほしい」といった意見が寄せられ、参加した社員の約80%からこの取り組みに満足しているとの回答が得られました。

事業環境

当社の装置によりつくり出される半導体を取り巻く環境は、新たな時代への転換期を迎えています。さまざまなモノがネットワークでつながるIoTが進み、IPトラフィック*の年平均成長率は24%と予測されています。クラウドサービスの普及などにより取り扱われる情報量が増加する一方、高信頼性が求められる自動運転や、医療・バイオ分野におけるDNA解析、また人工知能、AR・VRといった新たな技術をベースとしたアプリケーションが登場するなど、半導体の用途はますます広がっています。

一方、液晶テレビやスマートフォンに搭載される画面の大型化が進むことから、より高精細で消費電力が少ないFPD の需要が拡大すると予測されています。また、画面の大型化や加工自由度の観点から有機EL にも注目が集まっています。IoTの進化と合わせてディスプレイは、単なる表示装置から、インターフェースデバイスとしての用途が拡大することで、半導体とFPDを中心とした巨大なリアルタイムシステムが社会全体に構築されようとしています。

このような事業環境のもと、半導体・FPD製造装置が果たす役割はますます広がっています。今後のIoTで広がる多用な技術ニーズの高まりに応える既存の汎用技術も必要不可欠です。求められる技術が高度になればなるほど、装置メーカーとしての総合力も必要とされます。これは複数の製品ラインアップを有する当社にとって事業拡大のチャンスです。複数製品の組み合わせによりさまざまなソリューションの提供が可能となるためです。また、環境面や資産運用の点では、販売済み装置の改造やアップグレード、遠隔診断などによる装置生産性の向上、装置のライフサイクル全体をカバーするビジネスモデルの推進の必要性が増している他、将来のスマートファブ化への動きに合わせて、人工知能などによる装置のインテリジェント化のニーズが高まっています。

* IPトラフィック: ネットワーク上で送受信されるデータ通信量

Cisco Visual Networking Index: Forecast and Methodology, 2016–2021

中期経営計画

当社では、2020年3月期までの中期経営計画を策定しています。

中期ビジョン

革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、
半導体産業とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー

当社の中期経営計画においては、高度な技術開発力に基づく次世代を見据えた付加価値の高い製品を提供すること、お客さまへの対応力を強化しお客さまにとって唯一無二の戦略的パートナーになること、そしてオペレーションの効率化を追求することによりグローバルレベルの収益力を確保することが重要であると考えています。当社はこれらの3項目を中期経営計画における重要項目とし、全社レベルでの取り組みを進めています。

リスクと機会

社会課題やステークホルダーの皆さまのご期待、当社をとりまく事業環境などについて整理の上、事業展開に関連性が高いと考えられる以下のテーマにおいて、当社の中長期事業展開に影響が大きいと思われるリスクと機会を検討しました。

気候変動を含む環境問題

気候変動は地球規模で取り組むべき課題です。地球温暖化による温室効果ガス対応への要請や異常気象による洪水や水不足などは事業負荷を高めます。また環境関連法規制の強化は、製品への展開や事業所における対応、それに伴うコストの増加をもたらします。一方で、気候変動に対する取り組みを進めることは、優れた環境対応製品の提供やオペレーションコストの削減につながります。

テクノロジーの進化

技術革新のスピードが速い当業界において、その変化に対応し、革新的な技術を創出することは極めて重要です。そのような技術がタイムリーに創出できない場合には、製品の優位性が低下し、収益に影響を及ぼすリスクがあります。その反面、技術の多様化と進化への適切な対応は、付加価値の高い製品の提供を可能にします。

人口動態の変化

先進国における少子高齢化、貧困や経済格差による教育格差などの課題が存在する中、企業が中長期的に成長していくためには、人材の維持確保が特に重要です。企業が必要とする人材が確保できない場合、専門性の高い開発やサービスサポート力の低下につながる可能性があります。一方、能力を存分に発揮できる魅力的な企業として、さまざまな施策や制度を整えることは、優秀な人材の確保、さらには企業としての競争力強化につながります。

持続可能な企業経営

ガバナンスは事業の存続に関わるテーマです。特にコンプライアンスを怠った場合には法的な罰則や企業イメージの低下などの他、事業継続への影響が考えられます。健全で透明性の高い企業経営は、ステークホルダーとの強固な信頼関係を構築し、さらなる成長の機会をもたらします。

サプライチェーンマネジメント

サプライチェーンマネジメントにおける社会的責任の重要性が高まる中、自社を含むサプライチェーン全体における責任ある調達活動が求められています。法令や業界規範などが遵守されなかった場合、部品や部材の安定供給が阻害され、当社の生産体制に影響を与えます。一方、サプライチェーンマネジメントの推進は、健全かつサステナブルなサプライチェーンの構築を促し、信頼関係に基づく取引先さまとのWin-Win の関係をもたらします。


当社では、事業展開におけるリスクを可能な限り低減させるとともに、さらなる成長につながるさまざまな取り組みを通して企業価値の向上に努めています。

社会テーマ当社におけるリスク想定される負の影響想定される機会関連する取り組み
気候変動を含む環境問題

・地球温暖化対応

・環境法規制への対応

・法令違反

・事業コストの増加

・オペレーションコストの削減

・製品の環境性能向上

・製品の環境貢献・環境マネジメント
テクノロジーの進化・技術の多様化とスピードへの対応・製品優位性の低下・革新的なイノベーションの創出・価値創造に向けた技術革新への挑戦
人口動態の変化・人的資源の確保・開発力・サポート力の低下・企業競争力の強化・企業競争力の強化
サプライチェーンマネジメント・責任ある調達・供給体制の脆弱化・協業による新たな価値の創造・取引先さまとの取り組み・サプライチェーンマネジメント

マテリアリティの特定

当社では社会課題やステークホルダーの皆さまの声、当社を取り巻く事業環境、そして基本理念や経営理念、中期経営計画、リスクや機会の観点から、抽出したマテリアリティについて、外部の有識者を含め妥当性を検討しました。その結果、2016年度に特定したマテリアリティが引き続き2017年度のマテリアリティとしても妥当と判断いたしました。その上で各マテリアリティに関連した中期目標を明確にし、目標達成のための個別テーマおよび短期重点目標を設定しました。

特定したマテリアリティ

製品競争力の強化技術革新のスピードが速い当業界において、そのスピードに対応しながら、次世代技術に対応した高付加価値製品を継続的に提供することが求められています。当社は、グローバルレベルで最先端の技術開発に取り組むことで、タイムリーに市場競争力のある製品を世界に送り出します。
顧客対応力の強化IoTを中心とする新たな市場の台頭を背景に、お客さまの要望が多様化し、要求される装置性能も高まっています。そのため、お客さまのニーズを的確に把握し、それらを反映したソリューションの提供が重要です。顧客対応力をより一層強化し、お客さまにとって唯一無二の戦略的パートナーとなるべく努めます。
利益体質の強化利益は事業活動の源です。当社は、高付加価値製品やサービスの提供、事業プロセスの改善などにより継続的に利益を創出することに努めます。継続的な利益の創出は、事業への再投資、株主や社員、社会への還元などの好循環をもたらし、サステナブルな企業や社会の実現に貢献します。
活力ある人と職場人は、企業における経営資源の中でも特に重要です。仕事にやりがいを感じ企業に誇りをもつ社員の存在は、生産性を向上させ、企業の発展に寄与します。多様な働き方や社員のキャリア構築などを推進し、社員のエンゲージメントを高め、活力ある人と職場を実現します。
持続可能な経営基盤企業が持続的に成長していくためには、その活動を支える強固な経営基盤の構築が重要です。事業を通じた新たな価値を創出し、社会課題の解決に貢献すべく、実効性の高いガバナンス体制を確実に推進することにより、健全で透明性の高い経営を遂行します。

マテリアリティとCSR目標

2016年度の実績

マテリアリティテーマ年度重点目標実績
製品競争力の強化イノベーション・開発費 前年度水準を維持・前年度水準を維持
(2016年度:838億円)
製品の環境貢献・ウェーハ当たりのエネルギー使用量・純水使用量を2018年度までに10%削減するための取り組みを継続(2013 年度比)・3機種
(CLEAN TRACK™LITHIUS Pro™ Z、Precio™ XL、Certas LEAGA™)において目標を前倒しで達成
顧客対応力の強化顧客満足・顧客満足度調査 4点満点中すべての項目で3点以上を獲得・67.6%の項目で3 点以上を獲得
(前年度比5%向上)
品質・PDCA *1教育の実施とTEL6-Stepの普及・PDCA教育:TELグループ全拠点の従業員に対し実施。89%受講済み(2017年4月現在)・TEL6-Step:TEL グループ主要拠点のキーメンバーに対して講習を実施
情報セキュリティ・対象社員における情報セキュリティ教育受講率100%・受講率100%を達成
夢と活力の最大化活力ある職場の実現・成長に向けた継続的な挑戦を支える職場づくりおよび成果に応じた公正な処遇の徹底・TEL グローバル・エンゲージメント・サーベイを実施・ヘルスケアプラットホーム「Pep up」を導入
社会貢献・社会貢献プログラム数前年度水準を維持・前年度水準を維持
(2015年度:242件、2016年度:254件)
持続可能なオペレーションの構築コーポレートガバナンス・年1 回実施する実効性評価を通じた取締役会の運営向上・取締役会決議事項を見直し、執行へ委譲を進め、討議に費やす時間を拡充・社外役員へ議案・背景を事前説明し、討議の活性化に寄与
コンプライアンス・倫理・企業倫理・コンプライアンス教育受講率100%・98%受講
(2017年3月末時点、国内のみ。海外各社は2017年6月末まで受講期間中)
事業継続マネジメント・主要な生産拠点および本社におけるBCP訓練・BCPマニュアルの見直し・安否確認システムの訓練の実施(それぞれ年1回)・BCP 訓練・安否確認訓練およびBCPマニュアル見直しを主要拠点において実施
安全・労働時間20万時間当たりの人身事故発生率(TCIR) 0.5未満・0.5 未満を達成
(2016年度:0.28)
環境マネジメント・エネルギー使用量(原単位*2
前年度比1%削減
・水使用量(原単位)
2011年度水準を維持
・エネルギー使用量:前年度比0.1%減
原単位目標:7/11事業所で達成
・水使用量:基準年に対し11%削減
原単位目標:10/14目標で達成
サプライチェーンマネジメント・サプライチェーンCSRアセスメントを通じたマネジメントの強化・調達額80%以上を占める取引先さまに対しアセスメントを実施・評点において59%、評価レベルにおいて17%の取引先さまで改善を確認

*1 PDCA: Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善)の4段階を繰り返すことにより、業務を継続的に改善する手法
*2 原単位: 生産数量、人員、建物延床面積など、環境負荷量と密接な関係をもつ値で、環境負荷量を除した数値

2017年度の目標

マテリアリティテーマ年度重点目標中期目標関連するSDGs
製品競争力の強化価値創造に向けた技術革新への挑戦・全機種における次世代向け新製品数の割合(3カ年移動平均)5%以上・グローバル特許出願率 前年水準を維持強いネクストジェネレーションプロダクトを創出する
製品の環境貢献・ウェーハ当たりのエネルギー使用量・純水使用量 10%削減(2018年度まで、2013年度比)
顧客対応力の強化顧客ニーズの的確な把握・顧客満足度調査 3点以上(満足)の項目の割合 100%唯一無二の戦略的パートナーとなる
顧客価値創造のためのソリューション・お客さまにおける当社の価値向上・FS事業の売上高 前年度比増加
利益体質の強化高品質製品・品質改善コスト 前年度比削減オペレーションの効率を追求する
プロセスの付加価値向上・ビジネスプロセスの見直しによる営業業務工数 前年度比削減
活力ある人と職場人権とダイバーシティ・入社3年後定着率 100%・有休取得率 70%・ヘルスケアプラットホーム「Pep up」の普及率 前年度比増加夢と活力の最大化
ワーク・ライフ・バランス
人材開発
健康
持続可能な経営基盤コーポレートガバナンス・取締役会実効性評価の結果認識された課題に対する改善・内部通報制度の見直し(社外窓口の新規設置、対象者範囲など)価値向上に向けた経営基盤の構築
安全マネジメント・労働時間20万時間当たりの人身事故発生率(TCIR) 0.5 未満
環境マネジメント・エネルギー使用量(原単位) 前年度比1% 削減・水使用量(原単位) 2011年度水準を維持
サプライチェーンマネジメント・サプライチェーンCSRアセスメントを実施したサプライヤー率 調達額の80%以上