マテリアリティの特定

東京エレクトロンでは、社会の動向をグローバルな視点で捉え、中長期的な企業価値の向上において、重要かつ優先的に取り組むべきマテリアリティ(重要分野)を以下のようなプロセスで特定しています。

課題の認識

社会環境

世界経済の不確実性が高まる中、異常気象や自然災害、人権問題や国家間紛争、感染症の拡大やサイバーテロなど、人類はさまざまな社会課題に直面しています。特に気候変動や人権における不平等はグローバル社会における喫緊の課題であり、国際機関や各国の政府のみならず民間セクターによるさらなる取り組みがより強く求められています。当社は国連グローバル・コンパクトやRBAの動向を把握し、また第三者機関の提言などを考慮しながら、バリューチェーン全体において事業に影響をおよぼす可能性のある社会課題を認識し、事業活動におけるリスクの排除と新たな価値の創造に努めています。

事業環境

IoT、AI、次世代通信規格5Gやデータサイエンス*、の普及であらゆるモノがネットワークにつながり、ビッグデータ時代への移行が加速しています。社会のインフラを支える半導体やフラットパネルディスプレイ(FPD)の用途は拡大し、需要の増加とともに技術革新への要求も高まっています。このような状況において、半導体やFPDの製造装置事業を展開するTELにおいては、技術動向やお客さまの要請を的確に把握しながら、最先端の研究開発を推進し、それらを製品に展開して市場に提供していくことが求められています。また、遠隔保守や予知保全など納入済装置の生産性向上に寄与する、付加価値の高いサービスの提供も重要になってきています。

* データサイエンス: データを用いて新たな科学的および社会に有益な知見を引き出そうとするアプローチ

リスクと機会

当社ではSDGsをはじめとする社会課題や社会環境・事業環境を鑑み、サステナブルな事業展開に関連深いリスクと機会を検討しました。

社会テーマ

TELにおけるリスク

想定される機会

環境

・法規制や業界行動規範の不履行

・事業コストの増加

・環境マネジメントの推進

・製品の環境性能向上と事業機会の創出 

人権

・採用の難航と人材の損失

・企業イメージの毀損

・従業員のエンゲージメント向上

・人権の尊重による新たな価値の創造

ガバナンス・コンプライアンス

・経営の監視・監督機能の欠如

・倫理・コンプライアンス違反

・実効性の高いガバナンス体制の構築

・誠実かつ公正な事業活動の展開

テクノロジーの進化

・最先端テクノロジーの開発遅延

・ビジネス機会の喪失

・イノベーションの創出

・競争優位性の確保

サプライチェーンマネジメント

・供給体制の脆弱化

・事業継続性の損失

・持続可能な生産体制の確立

・信頼関係の構築による連携の強化

情報セキュリティ

・基幹情報の流出

・事業オペレーションの停止

・盤石な情報インフラの構築

・情報リテラシーの向上

ステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダーの皆さまとの継続的な対話を通じて得られた、ご意見やご要望を整理し、取り組むべき重要テーマの検討をおこないました。

ステーク
ホルダー

コミュニケーション機会

主なご意見やご要望

該当する

マテリアリティ

株主・投資家・決算説明会/
 中期経営計画説明会
・IRカンファレンス/IRロードショー*1
・個別インタビュー

・中長期的な成長シナリオとその施策

・市場の見方の共有と業績予想の確度向上

・企業統治へのさらなる取り組み

・製品競争力
・生産性向上
・経営基盤
お客さま

・技術交流会

・顧客満足度調査

・個別の技術協業

・多様なアプリケーションニーズの把握

・付加価値の高いソリューションの提案

・総合的かつ最適な解決策
・製品競争力
・顧客対応力
・生産性向上
お取引先さま

・生産動向説明会

・パートナーズデイ

・STQA*2監査

・より質の高いタイムリーな情報共有

・品質基準への対応による自社プロセスの
 改善 

・生産性向上
・経営基盤
従業員・社員集会
・グローバル・
 エンゲージメント ・
 サーベイ
・自己申告制度
・経営メッセージのさらなる共有と直接対話

・従業員の中長期的なキャリア形成支援

・多様な従業員の挑戦を促し認知する機会の
 創出

・人と職場
・経営基盤
地域社会

・地域社会貢献活動
・事業所見学会

・環境報告会

・次世代の人材育成と貧困問題解消への貢献
・地域と企業の共生
・環境保全の推進
・人と職場
・経営基盤

行政機関・

各種団体

・業界団体活動
・各種イニシアティブとの
 連携

・社会課題解決に結びつくイノベーションの
 創出
・気候変動や人権尊重に向けた取り組み
・より健全なサプライチェーンの構築

・製品競争力
・人と職場
・経営基盤

*1 IRロードショー: 株主や投資家を直接訪問するIR活動のツアー
*2 STQA: Supplier Total Quality Assessment

分析と抽出

社会環境や事業環境の認識、リスクと機会の検討、ステークホルダーの皆さまからのご要望の整理などをおこない、サステナブルな社会の構築における重要性、および当社の企業価値向上につながる事業における重要性の観点からマテリアリティを検討しました。その結果、中期経営計画の強化項目である「製品競争力」「顧客対応力」「生産性向上」に加え、価値創造の源泉として重要である「人と職場」、また企業統治や環境、人権などに関わる「経営基盤」を当社のマテリアリティとして定義しました。

妥当性の検証

定義したマテリアリティについて外部の有識者を含めたレビュー会議にて、妥当性の検証をおこないました。

  • 当社では5つのマテリアリティとその重点テーマを考慮し、年度目標と中期目標を設定しています。

CSR目標と実績

2019年度

マテリアリティ

重点テーマ

年度目標

実績

製品競争力技術革新への挑戦

・全機種における次世代向け新製品数

 の割合(3ヵ年累計) 20%以上

・21.0%を達成

・グローバル特許出願率 

 前年水準を維持

・前年水準維持を達成

 (2018年度81.2%、2019年度79.8%)

製品の環境貢献

・ウェーハあたりのCO₂排出量 20%削減
 (2024年度まで、2013年度比)

・2019年度は2013年度比16%削減

 (各主要プロダクトの目標達成に向けた

 ロードマップと対象機種の選定実施)

顧客対応力顧客価値創造

・お客さまにおけるTELの価値向上

・ロジック/ファウンドリビジネスの

 伸長、年度後半でのNAND投資再開を

 背景に、主要顧客におけるTEL装置の

 採用率を拡大

・FS事業の売上高、前年度比増加

・前年度比6.3%増加
顧客満足度の向上

・顧客満足度調査 

 3点以上(満足)の項目の割合 100%

・93.3%(前年度比+8.9ポイント)

生産性向上品質マネジメント・グループ内ナレッジ、強みの活用

・重要不適合案件に対する全社共通の

 対応方針の決定と関連部門への展開

 (12件中12件対応)

お客さまの生産

性・歩留向上

・フロントローディング、

 トレーサビリティの推進および実行

・フロントローディング
 工数削減のための不適合対応の工程

 見直し品質保証活動のあるべき姿を

 再検討
・トレーサビリティ
  パーツの状態や工程を追跡するための

 仕組みづくりの検討

人と職場ダイバーシティ&インクルージョン・女性管理職比率を2017年度1.8%か
 ら、
2020年度までに倍増
・2019年度は2.0%
キャリア形成

・1人あたりの受講講座数 

 前年度比10%増

・1人当たり8.3講座、前年度比11.7%減*1 

 (新型コロナウイルス感染症の影響に

 より集合研修を一部中止)

ワーク・ライフ・バランス・年次有給休暇取得率 70%以上・72.6%(2018年度67.2%)達成
健康と安全

・健康年齢*2と実年齢の差を1.5

 ポイント減

 (2020年度まで、2017年度比)

・2017年度比 0.03ポイント増

・労働時間20万時間当たりの人身事故

 発生率(TCIR) 0.5未満

・0.23を達成

経営基盤

ガバナンス

・取締役会実効性評価の結果、認識され
 た課題に対する改善

・当社のあるべき機関設計*3や取締役の

 構成*4、および役員報酬制度の一部

 見直しを取締役会や内部委員会で

 検討・確認
・取締役会の意思決定プロセスを

 高めるべく、取締役会付議基準の

 改訂、および執行会議体の新設を

 検討済みであり、2020年度以降、

 実施予定
・リスク管理体制強化プロジェクトを

 通じ、内部統制システムおよび

 グループ会社統制の見直しを実施
・取締役会オフサイトミーティングを

 開催し、中長期の経営戦略、CSRや

 GRC*5の取り組み・課題について討議

コンプライアンス

・海外グループ会社における内部通報窓
 口の再整備・取引先等通報窓口の設置
 (継続)

・内部通報窓口の従業員における認知度
 90%以上

・倫理基準改定および年次基礎研修、
 誓約の実施率90%以上

・海外グループ会社における内部通報窓

 口の再整備・取引先等通報窓口を設置

 完了
・内部通報窓口の従業員における認知度

 の調査未実施、2020年度繰り越し
・倫理基準改訂および年次基礎研修、

 誓約未実施、2020年度に繰り越し

環境マネジメント

・各事業所におけるエネルギー使用量

 (原単位*6 前年度比1%削減

・11事業所中、6事業所で目標達成

各事業所で設定した原単位*7による

 水使用量 2011年度水準を維持

・13目標中、9目標で目標達成
サプライチェーンマネジメント

サプライチェーンCSRアセスメントを

 実施したサプライヤー率 

 調達額の80%以上

・調達額80%以上を達成

*1 非正規社員の算入による指標の変更により、 2018年度実績は1人当たり11.6講座から9.4講座に変更

*2 健診結果に基づいて生活習慣病リスクを年齢で表現した指標

*3 当社では監査役会設置会社の方式を採用

*4 社外取締役1/3以上

*5 GRC (ガバナンス・リスクマネジメント・コンプライアンス)

*6 原単位: 各地区ごとに開発評価機台数、生産台数、床面積、工数の複合重みづけにて算出

*7 原単位: 各地区で床面積、人数などをもとに算出

2020年度


マテリアリティ

重点テーマ

年度目標

中期目標

SDGsへの取り組み
製品競争力技術革新への挑戦

・全機種における次世代向け新製品数の

 割合 (3カ年累計) 20%以上

強いネクストジェネレーションプロダクトの創出







・グローバル特許出願率 

 前年水準を維持 (±10ポイント)

製品の環境貢献

・ウェーハ当たりのCO₂排出量20%削減

 (2024年度まで、2013年度比)

顧客対応力顧客価値創造

・お客さまにおける当社の価値向上

唯一無二の戦略的パートナーになる







・FS事業の売上高、前年度比5%以上

 増加

顧客満足度の向上

・顧客満足度調査において「大変満足」

 または「満足」回答を選択した割合 

 100%

生産性向上業務効率化

・中長期目標である業務効率の10%向上

 を目指し、統合基幹システム導入に

 よりデータの一元管理を実現し、

 従業員にとってより付加価値の高い

 業務を創出する基盤を構築
 ①2020年度はCRM*8とPLM*9

  展開推進
 ②ERP*10の導入を準備

経営効率向上の継続的な追求









品質マネジメント

・重要不適合案件の他装置への波及性

 確認および再発防止策徹底

お客さまの生産

性・歩留まり向上

・品質におけるシShift Left*11

 (フロントローディング)活動の推進
 ①上流工程における技術者の付加価値

  業務の工数拡大
 ②品質保証活動のさらなる強化を目的

  とした中長期活動計画の実行

人と職場ダイバーシティ&インクルージョン

・女性の管理職および高度専門職

 (管理職と同等レベルの職責を担う者)を

 2021年度には2018年度2.0%*12から

 倍増

夢と活力の最大化
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キャリア形成

・職場の学ぶ文化・育成する風土の醸成 
 ① リーダー育成 ②パーソナライズ

 されたグローバルな学習機会の提供 

 ③会社人生を通じたキャリア開発の

 サポート

ワーク・ライフ・バランス・年次有給休暇取得率 70%以上
健康と安全

・健康年齢と実年齢の差を1.5ポイント

 改善(2020年度まで、2017年度比)

・労働時間20万時間当たりの人身事故

 発生率(TCIR) 0.5未満

経営基盤

ガバナンス

・取締役会実効性評価の結果、認識

 される課題に対する継続的な改善

価値向上に向け
た経営基盤の
構築















リスクマネジメント

・グループ全体を通じた統合的リスク

 マネジメント態勢の推進
 ①CSA(Control Self Assessment)導入

 ②リスクマネジメント委員会の設置・

  運営

コンプライアンス

・内部通報窓口の従業員における認知度

 100%
・倫理基準改訂および年次基礎研修・

 誓約の実施率100%
・コンプライアンス意識調査の実施

環境マネジメント

・各事業所におけるエネルギー使用量

 (原単位)前年度比1%削減

・各事業所における水使用量(原単位)の

 国内は2011年度、海外は個別の

 基準年度水準を維持

サプライチェーンマネジメント

・サプライチェーンCSRアセスメント

 を実施したサプライヤーの比率 
 資材系: 調達額の80%以上
 物流系: 通関関連業者100%
 人材系: 派遣会社および請負会社

 (構内請負)100%
・サプライチェーンBCP*13アセスメント

 を実施したサプライヤーの比率
 資材系:調達額の80%以上

*8 健康年齢: CRM: Customer Relationship Management

*9 原単位: PLM: Product Lifecycle Management

*10 ERP: Enterprise Resource Planning

*11 Shift Left: サステナビリティレポートP.17とP.31 参照

*12 2018年度2.0%は高度専門職を含む

*13 BCP(Business Continuity Plan): 事業継続計画