No.002 人と技術はどうつながるのか?
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ライフスタイル

広告はどこまで生活に入り込むか?

ユーザーインターフェースが、私たちを動かす

  • 2012.08.10
  • 文/山路 達也

ユーザーインターフェースによって、人間はデバイスをコントロールする。だが、その逆もまた真なり、である。人はユーザーインターフェースを通じて、広告に欲望を刺激され、消費行動を取る。ユーザーインターフェースが自然なものになるほど、広告も私たちのもっと内面に入り込んでくることになるだろう。それはビジネスやライフスタイルをどう変えていくのか、「広告」をキーワードにユーザーインターフェースを展望する

広告は邪魔ものなのか?

ユーザーインターフェースは、人が操作を意識しない方向に向かうのはおそらく間違いない。かつてダイヤルを回す必要があった電話機は、電話帳から相手を選んで発信するようになり、今では相手の名前を電話機に告げれば通話ができるようになっている。やがては、電話機を使っているという意識すら希薄になっていくだろう。

そうやってユーザーインターフェースが進化していくと、今後どのような変化が起こるのか、ここでは「広告」というキーワードから考えてみたい。

広告と聞くと、たいていの人がまず思い浮かべるのは、チラシやTVコマーシャル、ウェブのバナー広告といったあたりだろう。スマートフォンなどのアプリでは、無料版は広告が表示されるが、有料版は広告をなしにする場合も多い。少々のお金を払ってでも広告を見たくない、邪魔者だと考えている人も少なくないわけだが、そんな人でも自分が興味をもっている事柄に対して、適切な広告が表示されるのであれば文句は減る。広告がわずらわしく感じるのは、適切なターゲットに適切な表現を提供できていないからでもある。

Googleに莫大な利益をもたらしているのは、ユーザーが検索時に入力したキーワードに応じた広告を表示する検索連動型広告だ。ユーザーが求めているものに近い内容の広告は、そうでないものに比べて格段に注目されやすくなる。広告は、何も視覚的なメディアである必要はなくて、海辺で喉が渇いた時にビールをグラスに注ぐ音が聞こえてきたら、たいていの人は頼まないではいられなくなるように、聴覚やその他の感覚に訴えかける方法もある。

広告とは、広告主が望む消費行動をターゲットに取らせるための手法である。特定の商品ではなくブランド認知を上げるために広告を打つのも、同じような商品があった時、手に取ってもらえる確率を上げるためだ。

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