人材
人材マネジメントの考え方
東京エレクトロンは「企業の成長は人。社員は価値創出の源泉」という考えのもと、やる気重視経営を実践しています。社員へ積極的に投資しさまざまな施策を展開するとともに、個々の可能性を生かし高い目標に向けてチャレンジできる多くの機会を提供しています。
このような取り組みが社員エンゲージメントスコアの継続的な改善や高い定着率を維持し、確かな技術の確保によりお客さまの信頼獲得にもつながっています。
グローバル共通の人事プラットフォームにおいては、当社における職務やキャリア機会などを全社員に公開しており、キャリア形成の自律化やキャリアパスの見える化をおこなっています。
またキャリア形成を推進すべく、TEL UNIVERSITY*を通じた能力開発投資を実施しています。加えて会社の業績と個人の職責や貢献の大きさに応じて社員の評価を差別化し、公正で競争力のあるグローバルレベルの処遇を実現するとともに、優秀な人材の獲得と維持に努めています。
TEL UNIVERSITY: 「人材育成の基本方針」参照。 社内共通の教育プラットフォーム。社員が主体的にキャリアを形成し、自己実現することを支援している
2013年5月15日制定
- 人権の尊重
- 個人の人格と個性を尊重し、人権を損なうようなことのない職場環境づくりを行います。
- 人材の多様性
- 性別、国籍、年齢、人種、信条、宗教などによる価値観の違いを尊重し理解するとともに、多様な人材が存分に能力を発揮できる企業となることを目指します。
- 人材の育成
- 社員一人ひとりが価値創出の源泉であると考え、社員の能力開発を支援します。
- 評価と処遇
- 成長意欲をもつ社員に活躍の場を提供し、成果を挙げた社員に報いることができるよう、公正な能力評価と処遇を行います。
- 労働安全衛生
- 安全・衛生の確保を最優先し、事業所に勤務する人が安全に働き、周辺地域の皆様にも安心いただける環境を維持します。
- ワーク・ライフ・バランス
- 仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)を実現するための取り組みを行います。
当社では、企業価値を最大化するために、全社員が自由闊達な雰囲気の中で個々の能力を最大限に発揮し、いきいきと活動できる組織を目指しています。また、事業環境の変化にも迅速かつ柔軟な対応を行えるよう、最適な組織体制を整えています。
人事部門においては、本社および各グループ会社の人事部が連携し、国内HR(Human Resources)会議*¹を毎月1回、グローバルHR会議*²を年2回を原則とし、開催しています。これらの会議を通じて、組織ミッションの共有および目標設定、活動状況の共有、課題についての協議などを行っています。この管理体制により、全社的観点でリスクを把握し、適切な対応の実施とグループ内への展開、浸透を図っています。
国内HR会議:国内グループ各社の人事部長および主要担当者で構成する会議体
グローバルHR会議:国内および海外各社の人事部長および主要担当者で構成する会議体

グローバルな人事制度
当社は18の国と地域、95拠点において事業を展開しており、異なる文化的背景や経験、属性をもつ人材が価値観を共有し、グループ一丸となって価値創造に取り組むことが重要であると考えています。
2017年度にはグローバルで統一した新人事制度の運用を開始しました。これは、社員一人ひとりに求められる役割と責任を明確化し、それに相応した目標と挑戦的な目標を設定、その達成度を絶対評価し、業績連動賞与やさらなるキャリア機会を提供する制度です。社員の自律的なチャレンジが評価されることで、エンゲージメントの向上を創出します。国や所属するグループ会社に偏ることなく共通の人事制度のもとでキャリアアップを推進すべく、グローバルでの人材マネジメントや事業環境の変化に対応した機動的かつ最適なリソース配分を実現しています。
人事制度の全体像

人事制度のポイント
- グローバルに共通の等級制度(GTC)・評価制度
- 目標とコンピテンシーの2軸での評価
- 管理職のみならず専門性を重視したキャリアパス
- 育成につながる絶対評価と加点主義のフィードバック
- 職責に基づく等級設定
等級制度(GTC)
当社はグローバル共通のジョブ型人事制度(GTC: Global TEL Career-Paths)を運用しています。
GTCは、個々人の能力に基づいた適材適所の人材配置をおこない、その仕事の役割と責任の大きさで等級・処遇を決定し、社員一人ひとりの果たすべき職責を明確にする制度です。また、国内・海外共通の制度の運用により、働く場所を限定せず、管理職のみならず高度専門職としてのグローバルなキャリア形成を促進します。
Global TEL Career-paths

評価制度
当社は、目標に対する評価とコンピテンシー評価の2軸で評価するグローバル共通の評価制度を運用しています。
社員と上司の面談により、社員一人ひとりの職責に応じた目標を半期ごとに設定します。その後、定期的な1on1の対話を通じ、目標達成の進捗状況や、業務を通じたコンピテンシーの発揮度合いを確認します。また、上司の評価のみならず社員自身の自己評価や業務に関わる関係者からの多面的なフィードバックも加味し、相対評価ではなく絶対評価で公正な評価をおこないます。
評価結果は社員と上司が面談をおこない、目標に対する成果に加え一人ひとりの強みや課題を共有し、より高いパフォーマンスにつながるための気づきを促すことで社員の成長へとつなげています。

EE: Exceeds Expectations
ME: Meets Expectations
PE: Partially Meets Expectations
NI: Needs Improvement
社員エンゲージメント
社員エンゲージメントの向上は、企業におけるパフォーマンスの最大化や持続的な成長に不可欠な要素です。当社では「社員は価値創出の源泉」であるとの認識のもと、社員エンゲージメントの現状把握や課題抽出に向けた「エンゲージメント・サーベイ」を、国内・海外の全てのグループ会社の社員を対象に2015年度から定期的に実施しています。
本サーベイは、社員満足度を測るものではなく社員のエンゲージメントを調査するものであり、主な目的は①社員がエンゲージメントを高く保ち、能力を十分に発揮し、会社と共に成長し続けるための社員の原動力が何かを把握すること、②会社や職場環境に対する社員の声や意見を確認し共有すること、です。
調査項目はエンゲージメントの要因とされる「チームワーク」「生産的な業務改善」「ワーク/ライフ・バランス」「キャリア機会」「コンプライアンス」など20項目で、日々の働き方や今後の成長に関する内容となっており、エンゲージメントが高い社員の比率をスコアとして算出しています。
調査結果は、経営陣に報告するとともに各部門にも共有し、会社全体および部門としてのアクションプランを検討し、実施しています。このような取り組みにより、エンゲージメント・サーベイのスコアは2015年度以降、継続的に向上しており、2024年度までに19ポイント向上しました。
また、これまでのサーベイの結果を受け、「経営陣からのコミュニケーション」、「人事制度に対する関連要因」、「キャリアやマネジメント研修に関する要因」に関しては改善策を講じたため、スコアが向上し、取り組みに対する成果を確認することができました。
今後は、最新の分析結果を踏まえ「さらなる人材の獲得・活躍機会の拡大」、「生産性を高める業務推進環境の改善」、「組織間のコラボレーションの強化」に重点的に取り組んでいきます。

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社では経営層の強いコミットメントのもと、継続的なイノベーションの創出や企業価値の向上につながる経営の柱として、DE&Iを積極的に推進しています。「ONE TEL, DIFFERENT TOGETHER™」をスローガンに、国籍、性別、世代を大きなテーマとして捉え、3G(Global・Gender・Generation)の考えのもと、グループ各社で以下のような取り組みを実施しています。
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女性管理職比率 |
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高度専門職を含む
本目標は当社グループの米国地域には適用されません
理工学専攻の女性比率
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン・ウィーク(DE&I Week)」の開催
2024年1月、これまで実施していたDE&I Talkから規模を拡大し、世界中の当社グループで働く社員を対象としたDE&I Weekを開催しました。具体的には、DE&Iの理解を促進するためVRを活用し「もし自分がその立場だったら、一体何を感じ、どのように思うのか」を体験してもらう研修や女性エンジニア交流会、男性育休推進イベント、アンコンシャスバイアス*に関する講演会などDE&Iのさまざまな角度から計15のイベントを実施しました。このようなイベントへの参加を通じて、社員の関心や理解を深め、「ONE TEL, DIFFERENT TOGETHER™」のスローガンのもと、グループ全体のDE&I推進につなげています。
アンコンシャスバイアス: 無意識バイアス、無意識の偏見。自分自身が気づいていないものの見方や捉え方のゆがみ・偏り
「PRIDE指標2024」にて最高位の「ゴールド」を受賞
「PRIDE指標」は一般社団法人work with Prideによる職場におけるLGBTQ+などの性的マイノリティへの取り組みを評価するものです。当社および国内グループ会社*は初めての申請で「PRIDE指標2024」ゴールド認定を取得いたしました。
当社は性別に関わらず、誰もが働きやすく、高いモチベーションを持てる職場を創出し、人材の多様性を競争力につなげる環境づくりを進めています。これまでに、LGBTQ+相談窓口の設置や、慶弔関係の制度の対象範囲に同性パートナーを含めました。加えて、全社員向け研修を実施するなど、LGBTQ+への理解促進に努めています。
今後も、「ONE TEL, DIFFERENT TOGETHER™」の考えのもと、すべての社員がポテンシャルを最大限に発揮し、互いを尊重して個性や違いを共に生かしあう環境の実現や文化の醸成を目指し、DE&Iの取り組みを加速していきます。

認定会社:東京エレクトロン株式会社、東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社、東京エレクトロン九州株式会社、東京エレクトロン宮城株式会社、東京エレクトロンFE株式会社、東京エレクトロンBP株式会社
DE&Iの主な取り組み
当社では、グローバルで国や組織間の垣根のない企業として多様な人材を生かし、バランスの良い体制やチームづくりを目指して、以下のような取り組みを実施しています。
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NPO法人J-Win: 「特定非営利活動法人ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク」は、企業におけるダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援することを目的に、2007年4月に設立された企業メンバー制の団体
グローバル人事制度による一定レベルまたは一定職位以上の社員
国内各社の取り組み
女性の活躍に関する情報公表
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||||||
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男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | ||
平均勤続 |
7カ月 |
15年
10カ月
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6カ月 |
8カ月 |
10カ月 |
7カ月 |
16年 |
15年
7カ月
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16年0カ月 | 14年11カ月 | |
16年6カ月 | 15年10カ月 | ||||||||||
年次 |
80.6% | 78.9% |
国内グループ会社
労働施策総合推進法に基づく正規雇用労働者の中途採用比率の公表
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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新卒採用 | 253 | 209 | 231 | 353 | 404 |
中途採用 | 191 | 400 | 580 | 271 | 627 |
合計 | 444 | 609 | 811 | 624 | 1031 |
中途採用比率* | 43.0% | 65.7% | 71.5% | 43.4% | 60.8% |
東京エレクトロングループでは新卒採用は本社にて、中途採用はグループ各社で活動しております。
ダイバーシティの活動
Employee Resource Group 「DRIVE」
DRIVEは「誰もが活躍できる会社を目指し、高い付加価値と利益を生み出す」というビジョンのもと集まった全国各拠点のエンジニアから構成されるワーキンググループです。「DRIVEでは拠点を超え、多様な意見を交わし合うことで、全社員が自分らしく輝ける職場を共に創造します。
多様な人材の活躍
当社は、多様な人材が存分に能力を発揮できる企業を目指し、性別や国籍、年齢や経歴、障がいの有無に関わらず、誰もが働きやすい職場、高いモチベーションをもって働くことができる職場を創出することで、人材の多様性を競争力につなげていく環境づくりを進めています。
また、障がいをもつ社員が安心して就労できる環境の整備と雇用の促進を実施しています。当社における障がい者雇用比率は2.44%*、国内グループ会社で2.46%*となっています。
2025年3月31日現在
Voice | 外国籍従業員の活躍
私は2018年に、東京エレクトロンFEのグローバルFE(Field Engineer)トレーニングオペレーションセンターで共同リーダーを務めるため、日本に赴任しました。私が初めて日本に出張した1994年から考えると、これまでにTELではさまざまな変化がありました。テクノロジーの進化により、今では言語も文化も大きく異なる国でのコミュニケーションや移動が容易になりましたが、その中でも私は、TELが全世界の従業員同士のコミュニケーション向上を目的として導入した翻訳技術を活用しています。
また、グローバルFEトレーニングオペレーションセンターとグローバルサービスソリューションコミッティの一員として、私は世界各国のトレーニングリーダーやサービスリーダーと連携して仕事を進めることが多く、幸運にも、当社独自の文化を体験する機会に恵まれています。それは私にとって、フレンドリーかつ親切で、品質にこだわり、良好な関係の構築と維持に力を注いでいる人たちから成るチームワークの良さだと感じています。
新天地である日本に赴任してから、オフィスでの働き方にすぐに順応し、効果的に自分の業務でパフォーマンスを発揮することができたのは、同僚からの敬意や激励、心強いサポートを得られたからこそだと思います。このようなグローバルに働きやすい環境下において、チームの一員であることを実感しながら、とても充実した日々を過ごしています。
GLOBAL FE TRAINING OPERATION CENTER
Expert
Mccloud, Ethan

Voice | 障がいをもつ従業員の活躍
中途入社後、現在、コンプライアンス部ポリシー&プログラムグループのマネジメントに従事しています。職場では、障がいの内容・程度に応じたアクセシビリティの確保(バリアフリー、自動車通勤の許可など)といった合理的配慮がなされることはもちろん、障がいがあってもそれを理由に遠慮したり、ためらったりすることなく、のびのびと自分らしさを発揮できる組織風土が醸成されています。障がいという個人的特徴をポジティブに捉えることができる環境だからこそ、自己の能力を発揮できていると強く実感しています。今後は、高い専門性を生かし、新しい課題や難易度の高い課題に果敢に取り組んでいきたいと考えています。
コンプライアンス部 ポリシー&プログラムグループ
グループリーダー
田村 匡史

TEL Values
「TEL Values」の体制と取り組み
グローバルに事業を展開する東京エレクトロンでは、18,893名*の社員が働いています。その一人ひとりがエンゲージメントを高く保ち能力を十分に発揮していくことが、企業としての成長に直接結びつくと考えています。
各拠点で実施している社員集会や座談会などを通して、経営層が目指すべき方向性を社員と共有し直接対話の場を設けることで、組織と個人における相互信頼の構築に努めています。また、企業理念の実現に向けて、当社の価値観や社員一人ひとりの心構え、そして未来に向けて継承していきたい行動規範を、「誇り」「チャレンジ」「オーナーシップ」「チームワーク」「自覚」の5項目で明示した「TEL Values」を策定し、世界中の社員がこの実践に努めています。
2025年3月31日時点
TEL Values 社員一人ひとりが遵守すべき心構えや行動規範、価値観
誇り |
私たちは、自らが誇りをもてる高い価値をもった製品・サービスを提供します。 最先端の技術製品を最高の品質・技術サービスとともに提供し、お客さまの真の満足を追求します。利益は製品・サービスの価値の大きさを示す尺度であると考え、それを大切にします。 |
チャレンジ | 私たちは、世界No. 1を目指し、新しいこと、人のやらないことにチャレンジします。 変化をチャンスと捉え、柔軟かつ積極的に行動します。 失敗に対して寛容であるとともに、そのプロセスと結果から学ぶことを重視します。 |
オーナーシップ | 私たちは、オーナーシップをもって、考え抜き、やり抜き、やり遂げます。 常に問題意識をもち、 課題には情熱と責任感をもって取り組みます。 意思決定を早くし、良いと考えることはすばやく実行します。 |
チームワーク | 私たちは、お互いを認め合い、チームワークを大切にします。 オープンに意見を交わし、風通しの良い職場をつくります。 ビジネスパートナーとお互いに信頼し、成長できる関係を築きます。 |
自覚 | 私たちは、社会の一員としての自覚をもち、責任のある行動をします。 法令と社会のルールを遵守します。 安全と健康および地球環境への配慮を最優先に考えます。 地域社会から高く評価される会社であるよう心がけます。 |
人の成長
人材育成・キャリア
当社は、急速に変化するビジネス環境の中で、グローバルに活躍できる人材の育成に取り組んでいます。社員一人ひとりのパフォーマンスを最大化するために、組織的な人材開発の仕組みを構築、多様なバックグラウンドを持つ社員の潜在能力を引き出すことで企業全体のイノベーション力を高めています。また、社員の自発的なキャリア形成と自己実現を後押しする制度を整備し、主体的に目標を考え、成長できる環境を提供することで持続可能なモチベーションを確保しています。
TEL UNIVERSITY
2007年に設立された内部教育機関であり、学びの文化の醸成や自己成長の機会を提供しています。

TEL UNIVERSITY体系図

新しいキャリアデザイン
社員が将来のありたい姿を明確にし、その実現に向けたキャリアプランを設計して必要なスキルを効率的に習得できるよう支援する以下のような取り組みを2024年から始めています。
キャリア設計
社員は上司や業務経験豊富な同僚のキャリアを参考にしながら、自身の方向性を定めます。職種情報を通じてありたい姿を実現するためのステップ (経験すべき職場) を確認できる他、生成AIやメンターを通じてキャリアに関する質問をおこなうことで理解を深めていきます。

スキル獲得
社員は上司と相談し、自身のありたい姿の実現に必要なスキルを設定します。設定したスキルに基づき、最適な学習コンテンツやメンターが推薦されます。得られた知見を実務に生かすことで、社員は効率的にスキルを習得することが可能です。

キャリア形成の支援
リーダー育成
当社は中長期的な企業価値向上を図るため、次世代リーダーの早期発掘と計画的な育成に注力しています。次世代経営者候補には、社外研修などを通じて他社とのネットワークの構築や広い視野を養う機会を提供しています。併せて経営層は計画的にアサインメントの検討やレビューをおこない、着実な育成支援に取り組んでいます。また、職責に応じた階層別研修を拡充し、実践的なスキル向上を図るとともに、ビジネス現場における人材育成サイクルを促進しています。
高度専門職
高度な専門技術とスキルを有する人材のキャリアパスとしてTCL (Technical Career Ladder)を導入しています。チーフエンジニア、エキスパートなどで構成されるTCLについては、社内外での認知度を高めるとともに、部門間の連携を強化し、高度な専門技術に関する知見の活用を促進します。これにより社員は自らの高い専門性と強みを生かすことができます。
オンボーディングの強化
オンボーディング教育では、倫理・コンプライアンス、情報セキュリティ、環境・安全・品質、リスクマネジメント、サステナビリティに関する重要な知識やスキルを提供しています。これらは各リージョンの法令や文化に従い適切なプログラムが準備されています。
2022年度からは、DXの重要性を理解し変革に向けて行動できるよう、全従業員にDX基礎教育を展開しています。
新卒 / 若手育成プログラム
当社では、企業理念の理解や社会人として必要なビジネスマナーなどの基礎知識・スキルの習得による、価値観の共有と成長の促進を図る研修プログラムを展開しています。入社1年目から3年目にかけて段階的に実施され、必須研修や実務を通じて、キャリア形成を支援しています。
このプログラムを通じて、当社グループの一員としての価値観の浸透を図るとともに、持続的な自己成長を促進しています。
キャリア入社向けプログラム
当社は、2024年度にキャリア入社向けのオンボーディングプログラムを刷新し、国内全拠点から230名が参加しました。その一環として実施している「Welcome TEL Meeting!」では、当社の歴史、企業文化、理念を学びながら、自社製品や技術への理解を深めることが可能です。またグループワークやディスカッションを通じて、部門を越えた仲間との連帯感を育む機会も提供しています。このプロセスにより当社に関する理解を深め、即戦力として業務に貢献できる環境を整えています。
具体的な取り組み
主な人材育成プログラム(国内)
カテゴリー | 人材育成プログラム | 目的 | 対象者 | |
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階層別教育 | Basic Training | 新人導入研修、Values UP研修、ビジネスエッセンシャルズなど | TEL Valuesを実践するための行動指針を明確にし、自己確立やスキル習得を促し、職場での対話を通じて意識変革を促す。 | ・正規従業員 |
Leader Training | マネジメントスキル、コミュニケーション向上、異業種交流研修など | 経営者・マネージャーに求められるスキルをケーススタディや実践的な内容で学び、社外ネットワーク構築や学習文化を醸成する。 |
・正規従業員 | |
目的別教育 | Personalized Training |
語学(英語力診断含む)・異文化研修など | グローバルなビジネス環境に必要な専門用語や表現を習得、異文化間の相互理解を深める。 | ・正規従業員 |
ビジネススキル(PCスキル、生成AIセミナー、ファシリテーション、プレゼンテーション、ロジカルシンキングなど) | 個々の専門性を高めつつ、組織全体のパフォーマンス向上を図るために必要なスキルを育成する。 | ・正規従業員 ・非正規従業員 |
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オンライン学習 (Workdayラーニング、LinkedInラーニング、Udemyなど) |
持続的な成長のための自己指導学習文化を促進し、グローバルな競争力を向上させる。 |
・正規従業員 ・非正規従業員 |
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ワークショップ(AI,プラズマ,シミュレーション,クリーン化,半導体デバイス)、解析技術セミナーなど | ワークショップでは学会でのトピックや社内のナレッジ共有に関する発表と議論をおこなう。解析技術セミナーでは熱・流体・構造解析のスキルを習得する。 | ・正規従業員 ・非正規従業員 |
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Career Training | キャリアオーナーシップ、キャリアデザイン、職業的パーソナリティ検査など | キャリア初期層からシニア層まで、すべての社員を対象に多様な変化に対応する時代にライフ・キャリアの在り方を考え、社員が自律的にキャリアを築く。エンゲージメントスコア(キャリア機会)のスコアアップ。 | ・正規従業員 |
目的別教育のうちパーソナル教育プログラムは、業務上の必要性が認められた場合に、非正規従業員(有期雇用社員、パートタイム社員、派遣契約社員、請負社員)にも提供しています。
教育・研修費用の推移(グローバル全体)
項目 | 2024年度 |
---|---|
教育・研修時間 | 3,300時間 |
教育・研修費用 | 8.7憶円 |
一人あたりの教育・研修時間 | 22.1時間 |
一人あたりの教育・研修費用 | 44,330円 |
教育・研修時間:全社必須(安全・コンプライアンスなど)教育を除く研修時間の合計
教育・研修費用:研修費用の合計(日本円換算)
一人あたりの教育・研修時間:総教育・研修時間*/社員数=19,573人(2025年3月末時点)
一人あたりの教育・研修費用:教育・研修費用/社員数=19,573人(2025年3月末時点)
総教育・研修時間:各研修の参加人数×実施時間
教育・研修時間の内訳(種別)

教育・研修費用の内訳(種別)

Human Capital ROI
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|
人的資本ROI | ー | 3.31 | 2.65 | 3.07 |
人的資本ROI:連結売上高-(連結総運営費- (経費合計*))/経費合計)
経費合計=連結人件費+福利厚生(教育研修費)
ワーク・ライフ・バランス
ワーク・ライフ・バランスについての考え方
当社は、従業員一人ひとりのワークとライフの調和が、従業員と企業双方の成長に相乗効果をもたらすと考え、体制の構築を進めるとともに、高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニーの実現をビジョンとして掲げています。この実現のためには、効率的な働き方により残業を減らし、成果に応じた評価をする仕組みが必要と認識し、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて健康でいきいきと働くことができる職場づくりを推進しています。毎年、グループ統一の労働時間に関するガイドラインを定め、労働時間は「36 協定」、「過重労働基準」および「RBA 行動規範」を遵守することと定め、勤怠システムで労働時間を管理し、具体的な取り組みをおこなっています。
ワークスタイルとオフィス
当社では、ワーク・ライフ・バランスの取れた働き方を推奨し、継続的にその環境づくりをおこなっています。例えば、育児関連の休職制度としての出生時育児休業制度については性別を問わず利用を推進しており、産休・育児休業からの復職は高い水準となりました。また、勤務制度としては勤務時間に柔軟性をもたせたフレックス勤務の他、在宅勤務制度も実施をしており、利用者の声を踏まえた改善に努め、ライフスタイルや社会情勢に対応した効率的なワークスタイルを推進しています。
すべての社員の働きやすさと活躍を支援する職場環境を追求し、今までにない新たなオフィスの構築に取り組んでいます。
その取り組みの一例として2021年には東京エレクトロン宮城において、新たな技術を創造する共創空間「イノベーションエリア」と明るく開放感のあるコミュニケーション空間を中心とした「クリエイティブオフィス」を備えた宮城技術革新センターを開設しました。
それ以外の各拠点においても部門間の交流を促進し、イノベーションの創出をサポートするオフィス空間づくりを進めています。
休暇制度
当社では、適切な労働時間の管理や休暇の取得が社員の生産性向上にも寄与すると考え、長時間労働の是正や休暇制度の充実とその取得の推進に取り組んでいます。有給休暇取得率の中期目標として80%以上*¹を掲げ、社員に対する計画的な取得への啓蒙活動をおこない、取得状況の定期的なモニタリングや取得率向上に向けたマネジメントを推進しています。2024年度の有給休暇の取得率は78.9%となり、継続して目標達成を目指します。

また、当社の独自性の高い休暇制度として各国の状況に合わせたリフレッシュ休暇制度をグローバルで導入しています。この制度では社員が心身のリフレッシュを図り、就業意欲を高めることを目的としています。日本の場合は勤続年数5年ごとに1週間から1カ月の特別休暇(法定外有給休暇)を付与しています。2024年度には、日本で819名、海外で890名の社員がリフレッシュ休暇を取得しました。
加えて、社員の心身のリフレッシュを目的として、国内にいくつかの保養所を保有しております。
対象は日本
リフレッシュ休暇

育児・介護に関する制度・ライフサポート
育児・介護に関する制度
当社では従業員それぞれのライフスタイルを尊重し、一人ひとりが活躍できる環境の整備に力を入れています。従業員が育児・介護など、さまざまなライフイベントに合わせ、フレキシブルな働き方ができるように法で定められている制度に加え、充実した仕組みを独自に構築しています。
日本においては、育児休業期間を最長で「子どもが満3歳に達する日」まで延長することを認める他、育児による勤務時間短縮の措置を、小学校卒業までの子どもを養育する従業員にまで拡充しています。また子どもの看護休暇に加えて、独自の子育て応援休暇を設定するなど、支援の充実を図っています。男性の育児休業の取得も増えており、2024年度は63.8%となりました。介護両立支援としては介護休暇を5日目まで有給とし、介護対象者1名につき3回まで、通算して1年間を介護休業として取得可能とするなど、制度の充実を進めています。
制度名 | 制度概要 | 制度利用対象者 | 備考 |
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通勤緩和 | 1日1時間を限度として、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げが可能 | 妊娠中の女性社員かつ医師などからの 指導があった場合 | 法定のとおり |
育児休業 | ①子が満1歳6カ月到達後の4月末日までのうち、本人が申し出た日まで取得可能 ②満1歳6カ月到達後の4月末日を越えても、保育所へ入所できない場合、満3歳に達する日(誕生日の前日)まで休業期間を延長することが可能 | 生後満1歳6カ月到達後の4月末日に達しない子を養育する社員 | 法定を上回る (休業期間最長3歳まで) |
育児時間 | 所定の休憩時間の他、1日2回それぞれ30分間、生児を育てるための時間を請求することが可能(有給扱い) | 生後満1歳に達しない生児を育てる女性 | 法定を上回る (有給部分) |
育児・介護 対応勤務 | 1日1時間30分を限度として、始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げが可能 | 小学校卒業までの子を養育、または要介護状態にある対象家族を介護する社員 | 法定を上回る (小学校卒業までの子) |
子の看護休暇 | 一事業年度当たり養育する子が1人の場合は5日、2人以上の場合は10日を限度として取得可能(5日目まで有給扱い) | 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する社員 | 法定を上回る (有給部分) |
子育て応援 休暇 |
一事業年度当たり5日を限度とした子の養育のための特別休暇(無給) | 中学校就学の始期に達するまでの子の養育をする社員 | 独自の制度 |
介護休暇 | 一事業年度当たり対象家族が1人の場合は5日、2人以上の場合は10日を限度として取得可能(5日目まで有給扱い) | 要介護状態にある対象家族を介護する社員 | 法定を上回る (有給部分) |
介護休業 | 介護対象者1人につき3回まで、通算して1年間を限度として休業可能 | 要介護状態にある対象家族を介護する社員 | 法定を上回る (休業期間1年まで) |
育児期間中の従業員への支援
当社グループでは、育児期間中の従業員が安心して働ける職場環境の整備を進めています。
国内拠点では、母性健康管理のために必要な搾乳や授乳期間に利用できる育児支援室を設置しました。

育児期間中の女性従業員への支援
ライフサポート
当社では、従業員がいきいきと働き、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる職場環境の実現に向けて、さまざまな支援をおこなっています。50歳以上の従業員に対しては、定年後の働き方を考えるために、必要な情報やマネープランを見直すセミナーなどの機会を定期的に提供しています。また、全年代の従業員には、家族の介護や相続などの身近なテーマに関する支援をおこない、ライフサポートの充実に取り組んでいます。
Voice | 男性による育児休業取得
2018年11月に長男が生まれ、2019年6月から6ヵ月間、育児休業を取得しました。営業の仕事で出張が多い生活だったため、子育てに積極的に参加して妻をサポートしたい、また自身にとって最初で最後の育児経験になるかもしれないと考え、取得を決心しました。上司は私の意向を尊重してくださり、心強い支援のもと業務引継をすることができました。育児休業中は、日々成長していく我が子に寄り添い、その様子を育児日記に記録しました。いつかこのかけがえのない時間を、家族と一緒に振り返ることが楽しみです。復職時は、同じチームで復帰することができ、上司と同僚に心から感謝しています。育児休業を経験したことは、育児参加の大切さや、休みなく続く育児の大変さを学ぶ機会になったと同時に、効率性の向上をより意識しようという仕事に対する姿勢にもつなげることができたと思います。
フィールドソリューション一部
CTプロダクトグループ
元田 聖久

Voice | 男性による育児休業取得
2024年6月に長男が誕生し、7月から3ヵ月間、育児休業を取得しました。取得にあたっては、上司から「今しかできない経験だから、ぜひ取ってほしい」と背中を押していただき、安心して決断することができました。沐浴や寝かしつけ、真夜中のミルク授乳など、初めての育児は想像以上に大変でしたが、日々成長する息子の姿に触れながら、かけがえのない時間を過ごすことができました。特に、初めて笑った瞬間に立ち会えたことは、今でも忘れられません。妻と協力して家事や育児を分担する中で、家族の絆もより一層深まりました。
復職後は、新たなミッションを任せていただき、気持ちを新たに仕事に取り組んでいます。育児休業を通じて得た視点や経験は、同僚との関わり方や時間の使い方にも良い影響を与えていると感じています。今後は、自分自身が誰かの育児休業取得を後押しできる存在になれたらと思っています。
コーポレート企画&リスクマネジメント推進室
リスクマネジメントグループ
中西 保友

ハラスメント防止の取り組み
当社では、「東京エレクトロングループ倫理基準」および「東京エレクトロングループ人権方針」において「いかなるハラスメント行為も一切許容しない」旨を定めています。
ハラスメント防止に対する理解の促進と浸透のため、役員および全従業員に対してウェブトレーニングやマネージャー層を対象とした研修を実施しています。重要なことはハラスメントを未然に防ぐことであり、そのために研修では、職場で適切なコミュニケーションをとること、問題が発生した場合は早期に対応することに重点をおき、必要な知識や情報を展開しています。その他、ハラスメントなどに関する相談を受ける担当者を対象に個々のスキルアップを目的として、従事者研修を実施しています。
ハラスメント相談窓口をグループ各社に設置しています。相談したことから嫌がらせなどの不利益な取り扱いを受けることがないよう、相談の事実などプライバシーには十分に配慮した上で、誠実に対応します。重大なハラスメント行為が事実として認められた場合は、就業規則に則り懲戒委員会にて行為者の処分を審議の上、然るべき是正措置と再発防止策を講じます。