コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス体制

東京エレクトロンは、「革新的な技術力と、多様なテクノロジーを融合する独創的な提案力で、半導体とFPD産業に高い付加価値と利益を生み出す真のグローバルカンパニー」というビジョンを掲げています。海外の売上比率が80%を超える状況において、グローバル競争に勝ち抜き、このビジョンを実現して持続的成長を果たしていくためには、それを支えるガバナンス体制を構築することが重要であると考えています。そのため、当社がもつワールドワイドのリソースを最大限に活用するための仕組みを構築するとともに、多様な意見を取り入れ、経営基盤および技術基盤を強化し、グローバル水準の収益力を確立できるガバナンス体制を整備しています。

当社は、取締役会および監査役会から構成される監査役会設置会社の方式を採用し、監査役会による経営の監督のもと、実効性のあるガバナンスを実現しています。また、重要な業務執行の意思決定および監督機能を有し、執行部による適切なリスクテイクを支える取締役会に加え、①経営の公正性、実効性、透明性の確保を目的とする指名委員会、報酬委員会、②会社戦略の立案、推進機関としてのCorporate Senior Staff(CSS)、③執行部における審議機関としての業務執行会議、を設置するなど、持続的な成長に向けた攻めのガバナンス実現に資する体制を敷いています。

取締役会、指名・報酬委員会の構成および活動実績(2020年度実績) 取締役会:社内取締役8名、独立社外取締役3名、議長・委員長社内取締役(非業務執行)、開催回数12回 指名委員会:社内取締役 3名、独立社外取締役 1名、議長・委員長 社内取締役、開催回数10回 報酬委員会:社内取締役 2名、独立社外取締役 2名、議長・委員長 独立社外取締役、開催回数7回

経営課題解決にふさわしい取締役会の持続性

半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置のリーディングカンパニーとして、持続的成長を実現するためには、攻めのリスクテイクと、それを支えるリスクの管理が重要であると考えています。取締役会は、業務に精通した業務執行取締役に加え、独立社外取締役および監査役の豊富な経験・知見からもたらされる多様な意見を取り入れることで、取締役会の議論を適切な方向に導きます。

また、経営の公正性、実効性、透明性を確保するため任意の諮問機関として指名委員会、報酬委員会を設置しています。指名委員会は、CEOおよび取締役の選解任に関する提案権を有し、求められる資質や適格性、CEOの選解任検討の起点となる事項をガイドラインとして定め、選解任手続の客観性・適時性・透明性の確保に努めています。一方、報酬委員会は、外部専門家からのアドバイスを参照した上でCEOおよび取締役のパフォーマンス評価と報酬額の妥当性を検証しています。

このような体制のもと、経営課題の解決をおこなうにふさわしい取締役会の運営に努めています。さらに、持続的成長を支えるため、次世代の経営執行を担う人材を育成すべく、CEOおよび代表取締役は執行役員を中心に常に後継者候補を想定し、日々の業務執行を通して、能力、人格、品格、見識を多面的に評価しつつ、配置転換や研修の機会を設けることなどにより、候補者の研鑽を常にサポートしています。

スキルマトリックス

当社は、「最先端の技術と確かなサービスで、夢のある社会の発展に貢献します」という基本理念のもと、グローバルな環境変化に対応して、競争に勝ち抜き、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現し、ステークホルダーからの負託に応えるべく、ガバナンス体制の充実やサステナビリティを重視した経営に取り組んでいます。取締役・監査役は、これらの取り組みを実現する上で必要な資質を有した布陣であると考えています。詳細は、以下のとおりですが、グローバルビジネス、ガバナンス、サステナビリティなどに関する知見については全員が有しています。当社では、個人ごとのスキルマトリックスに加えて、取締役会全体の多様性の状況についても分かりやすく開示していきます。

取締役:常岩哲男 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、営業・マーケティング、財務会計・資本市場との対話 河合利樹 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング 佐々木貞夫 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング 布川好一 半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング、財務会計・資本市場との対話 長久保達也 半導体・FPD関連、財務会計・資本市場との対話、法務・リスクマネジメント 春原清 半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング 池田世崇 半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング 三田野好伸 半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング チャールズ・ディイトマース・レイク二世(社外) 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、財務会計・資本市場との対話、法務・リスクマネジメント 佐々木道夫(社外) 専門性経験:企業経営、製造・開発、営業・マーケティング 江田麻季子(社外) 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、営業・マーケティング市川佐知子(社外) 財務会計・資本市場との対話、法務・リスクマネジメント監査役:原田芳輝 半導体・FPD関連、財務会計・資本市場との対話、法務・リスクマネジメント 田原計志 専門性経験:企業経営、半導体・FPD関連、製造・開発、営業・マーケティング 和貝享介(社外) 財務会計・資本市場との対話、法務・リスクマネジメント 濱 正孝(社外) 専門性経験:企業経営、財務会計・資本市場との対話 三浦 亮太(社外) 法務・リスクマネジメント 取締役・監査役の専門性、経験:企業経営8名、半導体・FPD関連12名、製造・開発8名、営業・マーケティング10名、財務会計・資本市場との対話8名、法務・リスクマネジメント6名 取締役の独立性、多様性:独立社外取締役12名中4名、外国人・女性の取締役12名中3名(外国人の取締役1名、女性の取締役2名)

※ 「専門性、経験」の6つの項目の定義は以下のとおりです
・企業経営: 企業経営の経験を有していること(代表取締役、会長・社長経験者)
・半導体・FPD 関連: 半導体・FPD 関係業界に関する知見を有していること
・製造・開発: 当社および他の製造業における製造・開発に関する知見・経験を有していること
・営業・マーケティング: 当社および他の製造業における営業・マーケティングに関する知見・経験を有していること
・財務会計・資本市場との対話: 財務会計、M&Aに関する知見、または、資本市場との対話についての知見・経験を有していること
・法務・リスクマネジメント: 法務、コンプライアンス、リスクマネジメントに関する知見を有していること

戦略的意思決定の監督・評価

取締役会は、当社の戦略的な方向づけをおこなうことを主要な役割と認識し、経営戦略や経営計画などについて建設的な議論をおこない、中期経営計画などの進捗を監督する場として機能しています。また、取締役会は執行部に委譲した決裁権限事項について、執行部における意思決定が適切に機能しているかを監督するため、業務執行会議における審議状況の報告や説明を求めています。取締役会においては、事業に精通した業務執行取締役による付議や報告に対して、独立社外取締役と監査役からの積極的な助言や質問がなされています。両者の視点が相まって、業務執行の決定および監督に不可欠である適度な緊張と建設的な議論が実現されています。

また、独立社外取締役および監査役から的確な助言や質問を得るため、取締役会の付議事項について事務局より適宜、事前説明をおこなっています。特に重要な事項については、独立社外取締役および監査役と執行部との間で意見交換をおこなう場を設けるなど、独立社外取締役および監査役に対する十分な情報提供および意見交換に努めています。

利益配分の方針

当社では、すべてのステークホルダーに対して会社の利益を適切に配分することを基本的な考え方としています。株主さまへの配当政策は、業績連動型配当の継続実施であり、親会社株主に帰属する当期純利益に対する配当性向50%を目処とすることを基本方針としています。さらに安定的な配当実施の観点も考慮し、1株当たり通期150円という下限を設定しています。利益成長を通じて企業価値向上を図るべく、内部留保資金を有効活用し、成長分野に重点的に投資するとともに、業績連動型配当により株主さまに対して直接還元をしています。なお、株主還元の一環として、自己株式の取得については機動的に実施を検討します。

役員報酬制度の設定

当社では、役員報酬の基本方針として、①グローバルに優秀な経営人材を確保するための競争力のある水準と制度、②短期的な業績および持続的な成長に向けた中長期の企業価値向上との高い連動性、③報酬決定プロセスの透明性・公正性、報酬の妥当性の確保、を重視しています。取締役のうち、社内取締役の報酬は、「固定基本報酬」「年次業績連動報酬」「中期業績連動報酬」により構成され、また社外取締役の報酬については、「固定基本報酬」「非業績連動報酬(株式報酬)」で構成されます。監査役の報酬については、経営の監査・監督が主たる役割であることを踏まえ「固定基本報酬」のみとしています。

また、経営の透明性および公正性、報酬の妥当性を確保するために、独立社外取締役を委員長とする報酬委員会が、外部専門家からの助言を活用し、国内外の同業企業などとの報酬水準などの分析比較や、国内外における最新動向、ベストプラクティス(ESGの報酬への反映など)の分析をおこなった上で、取締役の報酬方針、グローバルに競争力があり当社に最も適切な報酬制度および代表取締役の個別報酬額などについて、取締役会に対し提案しています。

固定基本報酬

固定基本報酬は、国内外の同業企業などの報酬水準を参照した上で、社内取締役については外部専門機関の職務等級フレームワークを参照し、職責の大きさに応じて決定しています。

年次業績連動報酬

年次業績連動報酬は、現金賞与と株式報酬型ストックオプションで構成し、その構成割合は概ね1対1です。具体的な支給額・付与個数は当年度の会社業績と個人パフォーマンスの評価結果に応じて決定します。会社業績の評価指標には、親会社株主に帰属する当期純利益と連結ROEを採用しています。個人パフォーマンスの評価項目には、短期および中期経営戦略目標(ESGを含む)に対する貢献度を含みます。

中期業績連動報酬

中期業績連動報酬は、中期の業績向上への意識を高めること、および株式保有を通して株主さま目線を共有し、企業価値増大への意識を高めることなどを目的としたパフォーマンスシェア(株式報酬)としています。交付される株式数は、各取締役の職責および3カ年の対象期間における業績目標達成度に応じた支給率により変動します。業績目標達成度を測る指標として、中期経営計画と連動する形として、連結営業利益率および連結ROEを採用しています。

非業績連動報酬(株式報酬)

非業績連動の株式報酬は、社外取締役が担う経営の監督に加えて、中長期的な企業価値向上の視点から経営に対して助言をおこなうという期待役割に対し、より整合した報酬体系とすることを目的に導入しています。当該株式報酬においては、毎年設定する対象期間(3事業年度)終了後に株式を交付します。

取締役会の実効性評価のプロセスと経営課題

指名委員会・報酬委員会を含む取締役会の実効性を評価するため、取締役および監査役を対象とする質問形式によるアンケート調査をおこなっています。加えて、一部の取締役および監査役に対する個々のヒアリングを実施するとともに、社外取締役および社外監査役を主たるメンバーとした意見交換や討議も実施しています。アンケート結果やヒアリングの概要および討議内容を取締役会全体で共有した上で、取締役会の実効性に関する審議と包括的な評価をおこなっています。評価項目の設定にかかるアドバイスやヒアリングの実施・集計・分析については第三者機関の目線や意見を取り入れ、より客観性を高めるように取り組んでいます。

2020年度の評価の結果につきましては、取締役会やオフサイトミーティングにおいて自由闊達な議論がおこなわれており、指名委員会・報酬委員会を含め取締役会は有効に機能していると確認しています。今回の評価結果を踏まえ、引き続き、中長期的な経営戦略に関する議論のさらなる充実、多様性の推進、グローバルなグループガバナンスの強化、指名委員会・報酬委員会と取締役会との適宜適切な情報共有に取り組んでいきます。

資本市場との対話

当社では、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、経営層が積極的にInvestor Relations(IR)・Shareholder Relations(SR)活動に取り組んでいます。国内外のIRカンファレンスでは、取締役会長、CEOおよびファイナンス担当の取締役が適宜スポークスパーソンを務め、投資家さまとの直接的な対話を図っています。また、四半期ごとの決算説明会に加え、中期経営計画説明会やIR Dayにおいて、積極的に事業戦略や成長のストーリーを共有しています。さらに、CEO直轄組織として設置されたIR 室は、個別面談などを通じて適切に説明を補足するとともに、投資家さまの皆さまからいただくご意見を経営に役立てるべく、定期的に経営層に報告しています。

SR活動においても、当社役員を中心に、主要な機関投資家や議決権行使助言会社との建設的な対話を積極的に実施しています。株主総会の議案の説明に加え、事業環境、ESGやサステナビリティへの取り組み、社会・環境問題を含む事業におけるリスクと機会への対応など、幅広いテーマで継続的に対話をおこない、相互理解を深めています。株主総会については、議論の活性化および議決権行使の円滑化に向け、招集通知を早期に発送するとともに、発送に先駆けて日本語および英語で当社ウェブサイトに掲載するなど、株主さまへの迅速な情報提供に努めています。また、議決権行使の結果は内容を分析し、取締役会に報告するとともに、投資家との対話の充実に生かしています。