No.005 ”デジタル化するものづくりの最前線”
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テクノロジー

工場の未来

  • 2013.10.23
  • 文/山路 達也

3Dプリンターやロボットなど、デジタル技術によって、製造業のありようは大きく変わりつつある。果たして、自動化が究極的に進んだ未来の工場とは、どのようなものなのか?工場の未来の姿を展望する。

自動化が進む工場の未来は?

コンピューター制御の工作機械、3Dプリンター、プリンテッドエレクトロニクス(印刷技術を応用したエレクトロニクスの製造技術)、そしてロボット——。

デジタル技術は製造業のあり方を大きく変えつつあり、このような一連の変化は「第3の産業革命」と呼ばれるようになってきている。

3Dプリンターが高度化して扱える素材も多様になったら、大量生産では不可能だった究極の多品種少量生産が実現するかもしれない。高度なエレクトロニクス製品がまるで印刷物のように作れるようになったら、世界中の人々の生活はもっと快適になるかもしれない。その一方で、機械によって人間の仕事が奪われてしまうのではないか、そんな不安が人々の心に入り込んでくるのも事実。2011年にMITの研究者が著した『機械との競争』*1では、技術革新によって雇用喪失が起こっているという仮説が大きく紹介され、話題を呼んだ。

しかし、こうしたデジタル技術を活用することで、高い利益を上げる企業も増えてきている。例えば、産業用ロボット、CNC(コンピューター数値制御による工作機械)で世界首位のファナックでは、同社製ロボットによるセル生産方式(少数のチームで製品組立を完成させること)で、主力製品のロボットを次々と生産していく。

また、キヤノンも2015年には、大分などの国内工場でデジタルカメラの完全自動ラインを稼働する予定である。

デジタル化が進展していく未来の工場で、機械と人間はどのような関係を築くことになるのだろうか?

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