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摂取した食べ物の種類を自動で記録するネックレス

2015.6.22

ネックレス状のデバイス「WearSens」。黒い部分に搭載された振動センサーで、筋肉などの動きを検知する。

生活や健康のデータを長期間にわたって記録することをライフログという。例えば、スマホのアプリを使って食事の内容を記録し、ダイエットなどに役立てるアプリも多い。しかし、食事を記録する上での最大の課題は、データ入力が面倒くさいこと。あらかじめ用意された献立から選べるようになっているアプリもあるが、これでも手間がかかる。東京大学の相澤研究室では食材を画像認識する技術を研究しており、この技術を利用した「FoodLog」というスマホ用アプリもすでに発売されている。
これらとはまったく別のアプローチで食事の内容を記録するデバイスが、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の開発した「WearSens」だ。WearSensはネックレス状のデバイスで、高感度の振動センサーとBLE(Bluetooth Low Energy)の通信チップを搭載している。ユーザーが食物を飲み込むと、食道や鎖骨、皮膚や筋肉が動くが、WearSensは振動を記録して、スマートフォンのアプリに転送する。スマートフォンアプリで振動のパターンから、飲み込んだ食物を解析するという仕組みだ。
30人の被験者を対象にした実証実験では、固体と液体を87%の精度で識別。熱い飲み物と室温の飲み物は90%、食品の種類については80%の精度でそれぞれ識別できたという。
ヘルスケアの分野では、アップルが「HealthKit」、Googleが「Google Fit」によってユーザーの健康情報を一元関する仕組みを提供している(摂取した栄養分を記録する機能もある)。食事内容や摂取カロリーを簡単に記録し、その他の健康情報との相関関係を分析することができるようになれば、予防医療や生活習慣病の治療は、大きく進歩することになるだろう。

(文/山路達也)

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