製品品質

開発・設計段階の取り組み

製品の品質向上のためには、上流工程で不具合を混入させないようにするとともに、各工程において品質を完結し不具合品を後工程に流さないようにすることが重要です。この観点から、当社では、フロントローディングと自工程保証を推進しています。早い段階で製品品質の完成度を上げるために、製品設計の初期段階から、リスク抽出と対策(FMEA*)を徹底することで、不具合の発生・流出の抑制に努めています。また自工程保証についても各工程における徹底した審査や、シミュレーションを使用した検証などをおこなっています。さらに類似不具合を防止するために、市場や社内で発生・検出した不具合の根本原因を「TEL 6-Step」で究明するなど、上記施策を継続的かつ効果的に実施しています。

* FMEA: Failure Mode and Effects Analysisの略。故障モード影響解析。リスクを予め把握し、予防・軽減していく手法


取り組み事例

東京エレクトロン九州では、品質保証部門が主体となって独自の品質管理手法を実施しています。工場の工程を4つのステップ(開発・量産準備・量産・重要部品管理)で捉え、品質保証部門が蓄積してきた知見を活用し、開発者とは異なる目線で提案をおこないます。この4つのステップの中から、イレギュラー作業や新規仕様装置などを考慮した品質リスクを抽出し、顧客運用を意識した厳密なチェックや品質向上に有効な作業を提案し徹底することで、装置が出荷された後に発生する不具合の撲滅を目指しています。

ソフトウエア開発の効率化

当社が有する多様な半導体製造装置に、自社で開発した基盤ソフトウエアを共通して利用することにより、効率化を推進しています。

一元化された基盤ソフトウエアを導入することで、各種の装置ごとに重複した機能の開発工数が削減できます。また、装置ごとに固有の動作を追加する際にも、修正量や作業量が減少し、開発効率の向上を実現しています。設計エラーの発生頻度が減少し、ソフトウエアの品質向上にも寄与しています。

また、複数の事業所を横断した開発ノウハウの共有活動にも取り組んでいます。それぞれの部門でおこなっている改善の取り組みや、新しい開発技法の導入についての情報を定期的に交換する共有活動を通じて、各部署の活動成果が向上しています。この活動は10年以上にわたって継続しており、当社のソフトウエア開発効率向上の一翼を担っています。

教育

当社は、社員一人ひとりに品質への高い意識が必要と考え、さまざまな教育プログラムを実施しています。

すべての新入社員を対象にした基礎的な品質教育をはじめ、海外を含めた全社員を対象とした「PDCA教育」にも力を入れています。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)の4 段階を繰り返すことによる継続的な改善の必要性を習得するためe ラーニングを実施しており、87%(2018年3月現在)が受講しています。

また、工場やサービス部門の対象者には、重要問題の解決手法「TEL 6-Step」という独自の教育プログラムを推進しています。これは、品質管理における一般的なトラブル分析手法である「8D 問題解決手法*1」を当社向けに一部変更したものです。問題を体系立て、高い水準で分析することによって根本原因を究明し、早期の対策実施と類似事象を含めた問題の再発防止を可能とするプログラムです。現在、eラーニングによるトレーニングを進めており、約5,000 名(2018年3月現在)が受講を完了しています。2015年からは、ウェブ教育だけではなく、品質問題の解決を実践的に学ぶことができるよう、現地法人や開発メンバーを対象とした集合研修も実施しています。

さらに、「QC 検定*2」(品質管理検定)の取得を推進し、社員の品質管理に対する意識や能力の向上を図り、仕事の質を高めています。2011年度から年々資格保有者数が増加し、2018年3月現在、約2,000名が資格を保有しています。

*1 8D 問題解決手法: 品質改善のための問題解決を8つのプロセスでおこなう手法
*2 QC 検定: 一般財団法人日本規格協会・一般財団法人日本科学技術連盟が主催する品質管理検定。資格保有者数は全国で累計46万名を超えている(2018年2月現在)

問題発生時の対応

当社はISOやENといった安全規格への適合に加え、当社の製品に適した設計ルールを定めることで、よりレベルの高い安全性を追求しています。

安全な製品づくりの体制を構築するとともに、装置メーカーの使命として、装置の設計や製造上の不具合や作業上の問題で発生した事故への対応体制を整えています。事故発生時は、事故報告システム「S-VICS」によって、各事業部の安全の責任者、品質部門の責任者とともに、トップマネジメントを含めた経営層全員に報告書が配信・共有されます。その後、直ちに事故調査をおこない、原因の特定と再発防止策の立案に取り組みます。立案された対策は、問題が発生した装置はもちろん、独自システム「QA-BOX*」によって他のお客さまの装置、あるいは運用中の設計基準などに速やかに反映されます。

*1 QA-BOX: TEL グループ内の情報共有・横展開ツール
*2 FCN: Field Change Noticeの略。一般的なリコールを指す