Introductionイントロダクション
バイオメディカル
「科学的根拠に基づく医療(エビデンス・ベースド・メディシン)」が、提唱されたのは1991年のこと。それまでの医療はエビデンス、すなわち科学的根拠に基づいているとは言い難いのが実情でした。1990年代後半になると、日本の医療界にもエビデンス・ベースド・メディシンは導入されていきます。
医療関連の論文やデータが爆発的に増える中で、同じ病気に対する同じ治療法や、効果について世界各地で行われている複数のランダム化比較試験を統合的に分析し、正確な知見を得るメタアナリシスと呼ばれる手法や、統計解析技術の進化によって「科学的根拠に基づく医療(エビデンス・ベースド・メディシン)」は進化してきました。
今後は、個人ごとに異なる遺伝子情報の解析に加えて、その生活習慣の変化、既往歴など個人ごとの情報を加味した上で、特定の病気になりやすい人が、病気を発症する前から医療介入を行う先制医療が行われることになります。
また、島国に暮らす日本人の均一的な遺伝子データと、それに基づく医療ビッグデータが、疾病や体質の研究に果たす役割は大きいと指摘する声もあります。日本人の遺伝子データは、日本ばかりでなく、世界にとっても財産となる可能性があるのです。
「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」これはSDGs(持続可能な開発目標)の3番目に定められた目標です。
医療ビッグデータが引き起こしている、医学の変化を紹介します。
No. 019
特集:医療ビッグデータが変える医学の常識
Expert Interview
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- 誰もが自分の遺伝子情報を知る時代、
人々の生き方と社会の仕組みは一変する。 - 株式会社ジーンクエスト 代表取締役 兼
株式会社ユーグレナ 執行役員バイオインフォマテクス事業担当 - 高橋 祥子
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- 正確性とバイアス ~ビッグデータに伴う問題と、人間に求められる役割~
- ケース・ウェスタン・リサーブ大学
教授 - シャローナ・ホフマン
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- データ駆動型社会における新しいヘルスケア
- 慶應義塾大学 医学部医療政策・管理学教室 教授
- 宮田 裕章