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スマホとシリコンチップで、簡単在宅医療検査

2019.8.19

安価なシリコンチップと、スマホを組み合わせることで、妊娠からドラッグ、飲用水判定など、さまざまな検査が家庭でも行えるようになる。
photo by Vanderbilt University/Heidi Hall
安価なシリコンチップと、スマホを組み合わせることで、妊娠からドラッグ、飲用水判定など、さまざまな検査が家庭でも行えるようになる。

妊娠しているかどうか、血糖値はどれくらいか、ドラッグを服用しているかどうか、汲んだ水が飲めるかどうか、などなど……。こうしたさまざまな検査が、誰でも簡単に自宅でできるようになるかもしれない。
電気技師のSharon Weiss氏と、ヴァンダービルト大学工学部のCornelius Vanderbilt教授らが開発したのは、スマホとシリコンチップを使った検査システム
このシステムで用いられるシリコンチップには、ナノスケールの穴がたくさん空いている。1つ1つの穴のサイズは、髪の毛の1000分の1以下。シリコンチップ表面のコーティングを調整することで、特定の分子だけを捕捉できる。
試薬をシリコンチップに流し入れ、特定の分子が穴に嵌まると、流路が暗くなる。スマホで撮影すると、特定の分子が存在するかどうかを探知できるというわけだ。
現在発売されている、安価な各種家庭用検査キット(例えば妊娠検査キット)は結果を色の変化で識別するが、精度はあまり高いとはいえない。その一方、空港での爆発物探知などに使われる質量分析器は高精度ではあるものの、数千ドルのコストがかかる。
ヴァンダービルト大学のシステムで用いられるシリコンチップは安価であり、システムで最も高価なコンポーネントはスマホだという。
研究チームが、ビオチン-ストレプトアビジンというタンパク質で性能テストを行ったところ、iPhone SEとシリコンチップを組み合わせたシステムは、据え置き型の検査装置と同等の性能を示した。医療インフラが整っていない地域では、大きな福音になりそうだ。

(文/山路達也)

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