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コンパクトに運べる「宇宙飛行士の家」

2019.11.26

シエラ・ネヴァダ・コーポレーションが開発中のシリンダー型居住ユニット。直径、長さは約8メートルにもなる。
Photo: Mark Mulligan, Staff photographer
シエラ・ネヴァダ・コーポレーションが開発中のシリンダー型居住ユニット。直径、長さは約8メートルにもなる。

現在のところ、宇宙空間は人間が快適に生活できる場所にはまだまだほど遠い。国際宇宙ステーションにしても、宇宙飛行士が自分専用に利用できるスペースはごく限られている。さまざまな機関がバラバラにモジュールを打ち上げ、何とか国際宇宙ステーションとして組み上げたのだから、それも仕方のないことではある。各モジュールは、宇宙線などの影響から宇宙飛行士を守るために、がっちりとした構造になっており、居住の快適さは後回しになってしまった。
しかし、2024年にはNASA主導で、月軌道プラットフォームゲートウェイが月周回軌道上に建設されることになっているほか、25年以内に火星の有人探査も行うことが発表されている。宇宙空間でもある程度快適に長期間過ごせる居住空間が、必要不可欠だ。
そのためのソリューションとして、シエラ・ネヴァダ・コーポレーションが開発しているのが、シリンダー型の居住ユニットである。この居住ユニットは、防弾チョッキなどに用いられるベクトロン素材でできており、空気を入れて膨らませる構造になっている。縮んだ状態では直径13フィート(約4メートル)で、たいていのロケットのペイロードに収まる。利用する場所に到着したら、居住ユニット内に空気を送り込んで膨張させる。出来上がるのは、直径、長さとも27フィート(約8メートル)のシリンダーだ。内部は300立方メートルあり、3階構造になっている。国際宇宙ステーションの1/3程度の大きさであり、この中で4人の宇宙飛行士が居住する。1階は機器の保管場所、2階は植物を育てる壁や実験設備、3階は寝室とダイニングになる。シエラ・ネヴァダ・コーポレーションによれば、この居住ユニットは、月軌道プラットフォームゲートウェイだけでなく、月表面や火星有人探査にも使うことができ、サイズも自在に調整できるという。

(文/山路達也)

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