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正確な入力を可能にする指輪型デバイス

2020.7.27

指輪型の入力デバイス「AuraRing」で、手書き文字を入力しているところ。
指輪型の入力デバイス「AuraRing」で、手書き文字を入力しているところ。

ウェアラブルデバイスや、登場が噂されているAR(拡張現実)グラスでは、ユーザーインターフェイスがスマホやパソコン以上に重要になってくる。キーボードやスクリーンを介さず、細かな指示をスピーディに伝えるには音声認識だけでは力不足だ。
これまでにもジェスチャーを使って入力を行うさまざまなデバイスが提案されてきたが、ワシントン大学の研究チームが発表した「AuraRing」は、手軽さと入力精度の高さで注目を集めている。
AuraRingは、人差し指に装着するリングと、手首に装着するリストバンドの2つで構成されている。リングが特定周波数の磁場を生成、3つのセンサーコイルを備えたリストバンドが磁場の変化によってリングの位置や方向を計算するようになっている。リングの消費電力は2.3mWとかなり低い。手首と中手骨関節の曲げ伸ばし、外転、内転を測定できるため、自然でバリエーションに富んだジェスチャーを認識できる。
リングとリストバンドという短い距離での測定のため、平均誤差は4.4mmと高い精度を達成した。空中に文字を書くといったジェスチャーについても、高精度に認識して手書きペン入力と遜色ない使い勝手を実現している。デモ動画では、太股に指で文字を書いてメッセージに返信する様子が紹介されていた。
現在のVRヘッドセットなどで高精度の入力を行おうとすると、専用コントローラーや外部カメラなどが必要となる。これに対して、AuraRingではリングとリストバンドだけ。センサーコイルを既存のスマートウォッチに載せることも十分に可能だろう。リングについても、プロトタイプより一回り小型化し、ファッション性を持たせることができれば一般にも受け入れられそうだ。

(文/山路達也)

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