No.021 特集:デジタルテクノロジーが拓くエンターテインメント新時代

No.021

特集:デジタルテクノロジーが拓くエンターテインメント新時代

Cross Talkクロストーク

澤口先生、大喜利に挑戦!

竹之内大輔氏

── では、ここで一度澤口先生に大喜利を試していただければと思います。

澤口 ── いいですよ。でも私はきっと笑わないと思いますが。

竹之内 ── 何かお題をいただけますか。

澤口 ── 何とかとかけて何とかと説く、ああいうのでしたっけ?

竹之内 ── それは謎かけですね。例えば「こんなテレビ番組は二度と出たくない。どんな番組?」という感じです。

澤口 ── それでいきましょう。実際に二度と出たくない番組がいくつかありますから。さて、どんな答えがでてきたのでしょうか。

竹之内 ── 30個ぐらい出てきていますが、澤口先生に笑ってもらえそうなのはどれだろう?

例えば………

“こんなテレビ番組は二度と出たくない。どんな番組?”

“微熱大陸”

澤口 ── ………?

竹之内 ── ネタの元になっている「情熱大陸」を、先生はご存知ないですか。

澤口 ── おそらくテレビ番組なんでしょうが、私自身は見たことはありませんね。

竹之内 ── じゃあ、別ので行ってみましょう。

“こんなテレビ番組は二度と出たくない。どんな番組?”

“おかまたちが真面目に宗教を語る”

澤口 ── ……。ごめんなさい、やはりどこがおかしいのかさっぱりわかりません。おかまたちが真面目に宗教を語ってもいいじゃないですか。きっと私は、皆さんとは笑いのツボがまったく違うのです。テレビ出演時もみんなが笑っているときに、少しも笑いませんから。

竹之内 ── 先生はどんなときに笑うのですか。

澤口 ── 例えば家内が間違ったことを平気で言っているときですね。

竹之内 ── じゃあ、もう一つだけラストチャンスです。

“こんなテレビ番組は二度と出たくない。どんな番組?”

“朝ズボ”

澤口 ── ごめんなさい。これも意味がわからないです。

竹之内 ── 昔「朝ズバ」というテレビ番組があったのですが。

澤口 ── 私は見ていませんから、全然わかりませんでした。だからテレビ番組ではなくてズボンのことかと思いましたよ、毎朝ズボンを履のはたしかに面倒くさい。できればズボンなんか履かずにパジャマのままでいたい。そんな連想で、テレビ番組とズボンがどう関係するんだってところに頭がとらわれてしまいました。

竹之内 ── 大喜利に限らず、笑いは前提条件となる知識共有がないと通じないですね。先生に笑っていただくためには、それなりのデータセットが必要だ(笑)。

大喜利AI公式アカウント
提供:株式会社わたしは
大喜利AI公式アカウント

[後編あらすじ]

『大喜利人工知能(大喜利AI)』は残念ながら澤口先生を笑わせることはできなかった。とはいえAIが秘める可能性については、澤口先生も高く評価している。後編では、AIの可能性を澤口先生、竹之内氏に語ってもらいながら、AIの可能性を突き詰めると、どこまでたどり着けるのか。そのとき、人は何をすべきなのかなど近未来の社会像について語ってもらう。

対談を終えて

Profile

澤口俊之氏

澤口 俊之(さわぐち としゆき)

人間性脳科学研究所所長、武蔵野学院大学教授

脳科学者。北海道大学理学部生物学科卒業、京都大学大学院理学研究科動物学専攻博士課程修了。

1999年北海道大学大学院医学研究科教授(脳科学専攻・神経機能学講座・機能分子学分野)、2006年に同大学を退職して株式会社人間性脳科学研究所を設立し所長就任。

人間の営みを脳や神経の働きからやさしく語るスキルに定評があり、フジテレビの『ホンマでっか!?TV』の人気出演者としても有名。「笑い」に関する著作『人はなぜ笑うのか』もある。

竹之内大輔氏

竹之内 大輔(たけのうち だいすけ)

株式会社わたしは CEO

1981年生まれ、群馬県出身。株式会社わたしは代表取締役。 大手コンサルティングファーム勤務後、東京工業大学大学院博士課程で数理社会学・内部観測論を研究(博士後期課程単位取得満期退学)。WEBマーケティング会社勤務を経て、2016年4月に大喜利する人工知能「大喜利AI」の開発だけに特化した「株式会社わたしは」を創業。

Writer

竹林 篤実(たけばやし あつみ)

1960年生まれ。ライター(理系・医系・マーケティング系)。
京都大学文学部哲学科卒業後、広告代理店にてプランナーを務めた後に独立。以降、BtoBに特化したマーケティングプランナー、インタビュワーとしてキャリアを重ねる。2011年、理系ライターズ「チーム・パスカル」結成、代表を務める。BtoB企業オウンドメディアのコンテンツライティングを多く手がける。

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