No.019 特集:データ×テクノロジーの融合が生み出す未来

No.020

特集:データ×テクノロジーの融合が生み出す未来

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プレゼンテーション2

「ポケモンGO」が変えた世界、ハリー・ポッターが拓く未来

Niantic, Inc. アジア統括本部長 川島 優志

川島優志氏

『ポケモンGO』のユーザーは、世界中150か国に及び総数は10億人を超える。川島氏が最初に「『ポケモンGO』をプレイしたことのある人は、どれぐらいいますか?」と尋ねたところ、会場内のほとんどの人が手を挙げた。

今や社会現象となっている『ポケモンGO』を生み出したナイアンティック社は、もともとGoogleの社内ベンチャーとしてスタートし、2015年に独立している。そんな同社の立ち上げついて川島氏は、「会社を立ち上げたとき、我々は3つのゴールを打ち立てました。『Explore』『Exercise』『Social』です」と語った。

Exploreは「探検」を意味する。つまり、家族や友人と一緒に冒険して楽しめるプロダクトであることを目指した。次に、Exercise。これは「運動」を意味するものだ。先進国では運動不足のために多くの人が不健康な状態に陥っており、自然に体を動かしたくなる仕組みを導入したいという想いからこのゴールを定めた。

そして、最後がSocial。ここにナイアンティック社のこだわりがあり、同じソーシャルでもバーチャルではなくフェイス・トゥ・フェイス、リアルワールドでの『社会的交流』を目指す。背景にあるのは、現代のテクノロジーに対する問題意識だ。

「今は、A地点からB地点までの最短距離を導き出すためだけに、テクノロジーが活用されています。しかし、我々が目指したのは、直線的に進めば15分で行けるところをあえて1時間半ぐらいかけて移動する仕組みです。一見無駄な回り道のように思えますが、こうした仕組みこそが人の動きを変え、ひいては世界を変える第一歩になると考えているのです」

実際、『ポケモンGO』の全プレイヤーがこれまでに歩いた距離を合計すると230億kmに達する。太陽から冥王星までが約50億kmだから、その4.6倍にも相当する距離だ。さらに、これまでなら出会うことのなかった人たちが実際に出会い、リアルな友だち付き合いが生まれた。実際、『ポケモンGO』のフレンド機能を使う人たちの間で、1億9000万以上ものフレンドコネクションが生まれている。さらに、リアルワールドでのイベントには世界中から参加者が集まる。ゲームの力は、年齢・性別はもとより民族や言語、宗教の違いを超えて人々を結びつけるのだ。

新作『ハリー・ポッター:魔法同盟』もすでに一部地域でテストが始まっており、近日中に世界でリリースされる予定だ。これらのプロダクトはいずれもナイアンティック社のリアルワールドプラットフォームの上につくられている。数億人のプレイヤーがサーバを分かつことなく、グローバルにひとつの世界で遊べるシステムだ。

「これまでのテクノロジーは、どちらかと言えば人と現実を引き離す方向に作用してきました。ですが、ARがもう一度、人間とリアリティを結びつけてくれると私たちは考えています。実際に今は、とても重要な変化の時期です。これから先、現実世界でのすべての体験が、ARを通じて拡張され共有されていく――。そんな未来の始まりを、まさに今迎えているのです。とにかく最初の一歩は踏み出した。次の展開をぜひ、楽しみにしてください」

提供:Niantic, Inc.
ハリー・ポッター:魔法同盟
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