No.022 特集:新たな宇宙探究の時代がやってきた:我々はどこから来て、どこへ向かうのか

No.022

特集:新たな宇宙探究の時代がやってきた。我々はどこから来て、どこへ向かうのか。

Visiting Laboratories研究室紹介

後編:東京理科大学大学院 基礎工学研究科 材料工学専攻 木村 雄太さん

木村 雄太さん

TM ── 安盛・勝又研究室を選んだ理由を教えてください。

木村 ── 光触媒の研究をやっているということもありましたが、それをいかしてガラスやセラミックスなどの材料系のことや、さらに環境問題の研究もやっていることもあり、魅力的だと思いました。

TM ── いまはどのような研究に取り組んでいますか。

木村 ── ひとつは光触媒による抗菌技術の研究です。もうひとつは、すでに製品化もされている蚊取り技術について、もっと効率を上げて、たくさんの二酸化炭素を出せないかという研究も行っています。

TM ── 安盛・勝又研究室でどのようなことを得ましたか。

木村 ── 最初は光触媒についても、使っている材料についても知らなかったので、研究を通して、それを学ぶことができました。また、勝又先生の指導方針もあり、自分で自主的に計画を立てて研究や実験を行い、その結果を自分にフィードバックして、さらに次の研究をする、といったサイクルを身に付けることができたのは大きかったです。

TM ── 勝又先生ならではの学びはありましたか。

木村 ── 光触媒は基礎研究という面もありますが、すでに一部は実用化されていることもあり、それを踏まえたアドバイスが聞けるなど、実用的な研究ができるのがおもしろいと思っています。

TM ── 今後についてはどのように考えていますか。

木村 ── 今後は材料系のメーカーへの就職を考えています。私は光触媒とセラミックスを組み合わせた研究をしているので、扱っている分野が光から化学まで幅広く、就職の選択肢も大きく広がっている点がうれしいです。他の研究室では、ひとつの分野や技術を突き詰めて研究しているところが多いのですが、この研究室ではいろいろな分野を広く学ぶことができました。それは今後、世の中に出たとき、さまざまな動向や変化に対応できるようになると思います。

Profile

勝又 健一教授

勝又 健一(かつまた けんいち)

東京理科大学 基礎工学部 材料工学科 准教授

1977年生まれ。2001年3月東京工業大学工学部無機材料工学科卒業、2006年3月東京工業大学大学院理工学研究科材料工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。同年4月東海旅客鉄道㈱入社(総合技術本部技術開発部研究員)、2009年4月東京工業大学応用セラミックス研究所特任助教、助教、特任講師をへて、2015年6月東京理科大学研究推進機構総合研究院准教授、2019年9月より現職(光触媒国際研究センター セルフクリーニングユニットリーダーを兼務)。

木村 雄太(きむら ゆうた)さん

木村 雄太(きむら ゆうた)さん

東京理科大学大学院 基礎工学研究科 材料工学専攻 修士課程1年
1996年生まれ。2019年3月東京理科大学基礎工学部材料工学科卒業、2019年4月東京理科大学大学院基礎工学研究科材料工学専攻入学、そして現在に至る。

Writer

鳥嶋 真也(とりしま しんや)

宇宙開発評論家。宇宙作家クラブ会員。

国内外の宇宙開発に関する取材、ニュース記事や論考の執筆などを行っている。新聞やテレビ、ラジオでの解説も多数。主な著書に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)があるほか、論文誌などでも記事を執筆。

Webサイト http://kosmograd.info/
Twitter: @Kosmograd_Info

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